中性的だと損しかしないんだけど2【刀剣乱舞】

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前任に閉じ込められた。



その一言は俺を苛立たせるのには十分すぎた。過ぎたことなのに苛つきが止まらない。むしろ苛つきが強くなったように思える。


刀剣が地下室に閉じ込められるってことはすなわち、いらないという意味になる。だってそうだろ？忘れ去られた地下室に閉じ込められてんだよ？
　

相変わらず物としか扱ってねぇやつの考え方だよ。


『ではどうしますか？私と共に本丸に戻りますか？』



「あんたは...この地下室から出られると思っているのか？」


いやそんなのやってみなきゃわかんねぇよ。まぁいくら出入口が塞がれてたとしても刀があれば何とかなるだろ。通り道作るくらい簡単だわ。


『はい。この地下室は老朽化が進んでいますからね。そこらじゅう脆いですよ。上手くいけば刀で一突きでいけます』


おい何だその信じられないとでも言いたげな瞳は。実際脆いんだよ。さっき軽く斬ってみたら割りと崩れそうだったし。


まぁ斬るところ間違えたら岩の下敷きになって終わりだけどな。一種の賭けだよ。どうせこんな地下室にいてもつまんないだろ？


だったらこれくらいのスリルは味わんなきゃ損だろ？


「そこまで言うなら...やってみよう」


『山姥切様がその気でよかったです。ですがここでは上手くいくとは思えないのでもう少し奥へ進みましょう。その間に敵が出てきたら容赦なく斬ってください』


俺は自ら刀を抜いて山姥切様の前を走る。いくら長い間閉じ込められているから地下室を知り尽くしているとはいえ、話を聞く辺りまだこの奥には脚を踏み入れたことはないと言える。


ならそこはやっぱり主らしく先頭をきんないと格好つかないだろ？


『久しぶりにやってやりますか』

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