赤葦京治のネクタイ拾った。

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『ねぇ本気？』



目の前には赤葦京治がいると思われる教室の扉。これを開けてしまったらネクタイを直接返さなければいけないわけで。



｢あったりまえでしょ！｣



そしてノリノリな凛。



お願いだから凛が代わりに返して来てくれよ…！私は喋りたくもないし目を合わせたくないわ！！



『ムリムリムリ！！ねぇやめよ！？』



｢いやあんたいつまでごねてんのよ。ネクタイ返さないと相手も困るに決まってるでしょ？｣



そんなの百も承知だわ！絶望の表情を浮かべて必死に抵抗するも凛は容赦なく扉を開こうとする。



『っ、やっぱムリ！！』



｢ちょ、A！？逃げんなー！！｣



私は仕方なく最終手段、逃げるを使った。



＊



『あああ…どうしよ、逃げちゃった…』



やはり手には赤葦京治のネクタイ。道端に放置してやればよかったわ。



今更になって拾ったことを後悔する。



『なんで赤葦京治はネクタイ落としたんだよ…そしてなぜ私がこんなにも嫌々返しに行かなきゃいけないの？学校サボればよかったー！！！』



｢俺がどうかしましたか？｣



『ひっ！』



背後から腕が伸びてきたと思えばがっしりと腕を回される。



『誰！？』



｢そこですか。…俺は赤葦京治です。そのネクタイの持ち主｣



まじかぁ…。



整った顔立ちとどこか冷たい切れ長の瞳。そして何より高身長でスタイル抜群。こりゃモテる。うん、何も言えない。



『あ、じゃあこれどうぞ』



持ち主である赤葦京治にネクタイを返せば｢ありがとうございます｣と受け取ってくれる。



『じゃあ私はこれで』



｢あ、お礼しますよ。…ネクタイで縛ってもいいですか？｣




…は？

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