赤葦京治のネクタイ拾った。

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よく恋をした女の子は可愛くなるって言うけれどさぁ…。



私別に恋とかしてないからメイクしても変わらないんだよね！！



なんて言いたいけれど黙ってメイクされてろ、みたいな視線をいただくので何も言葉を返せない。凛は楽しそうに私の顔面にメイクブラシを滑らせていく。



なんかすごい楽しそうだけどどうなってんの私の顔面。



｢やっぱ元がいいからメイクのしがいがあるわ。顔はいいのに性格こんなんだから彼氏もできないのよ…ってもう既にハイスペックな彼氏がいたか｣



『あんたさっきから何言ってんの？』



凛の中で私と赤葦京治はとっくのとうに付き合っているカレカノらしい。どこがだよ？？仮に付き合ってたとしてもまだ手すら繋いでませんけど。



｢A、赤葦くんはあんたの全てを見て好きって言ってくれてるんだよ？あんなイケメンでで包容力あって優しさの塊で大人の余裕のある男が他にいるか？｣



『世界中を探せばいるのでは…』



｢校内でだっつーの！！｣



ダァン！！と机をぶっ叩かれてクラスが静まりかえる。注目の的だよ私たち！！



｢とにかく！付き合ってみて好きになってくって事もあるんだから。会いに行ってこい｣



『え、人生終了のお知らせ』



｢始まりだってことだわ！ほら、メイクできたから。黙ってれば可愛いから行ってこい｣



『ほんっと余計な一言添えるの好きだよね』

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