中性的だと損しかしないんだけど【刀剣乱舞】

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『ここの部屋...何か気になるんだけど』


「おかしいですね。本来なら部屋割りは決まっているはずなのに決まっていないなんて」


そう、この本丸はおかしかった。...もとからだけど。とにかく静かなのは相変わらずで。まるで生きていないよう。そのうえどの部屋もおかしなことに異様に綺麗に片付いていた。


『ブラックってもっと返り血とか壁について変色したりしてるよな？ていうかどの部屋も使った形跡がないんだけど？』


「それは今の主が使わせないようにしているからだよ」


突如聴こえた声。背後に回られないように警戒をしていたはずなのに気配を消して俺の後ろにつくとは...。カンストしてるだろ絶対。


「見習い殿！加州清光殿ですぞ！」


紅い瞳に紅い爪。そして洋装。


政府にいた頃１番興味あった刀剣だった。


『加州様、ですか。見習いである私に何か用でも...？』


見たところ酷いケガどころかかすり傷一つ見当たらない。太刀じゃないのにあの女のお気に入りなのか。いや、そしたらここで俺に声をかけずに殺していたはず。


「ねぇ...見習いは、あんたは、俺を愛してくれる...？」


...はぁ？愛せないことはないけど女の方がいいんじゃねぇの？


『できなくもないですが、私より適任がいるのでは？』


「今の主は俺を愛してなんかくれないよ。忘れてるんだから。だから暴力を振るわれないし、何もしてこない。でもね、やっぱり愛してほしい」


そんなこと言われてもなぁ。今まで恋愛経験0に等しい俺に何を求めると？ていうか俺、愛だの恋だのわかんねぇ。


『私には愛し方がわかりませんから。申し訳ございません』

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