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カウンター席の机を拭いていると、ガラガラと扉の開く音がした。時間的に佐野さんかな、と考えながら扉の方を向いたが、そこにいたのは佐野さんではなかった。
派手なピンクの髪に、羨ましいほど長くて量の多い睫毛、口元の傷やたくさんのリングピアス。目に入ってくる情報量が多くて一瞬固まってしまった。
『いらっしゃいませ、こんばんは』
慌ててることがバレないように笑顔でそう告げる。
台布巾を持って厨房へ移ろうとするが、一切動こうとしない彼を不思議に思って足を止めた。
彼は私の頭の天辺から足の爪先までじっくりと眺めた。
『…あの、お好きなお席へどうぞ』
その視線に耐えられず声をかければ、彼はようやく動いて席に着いた。
注文を聞いて調理している間も彼の視線を感じる。
その理由をいろいろと考えてみるが思い当たる節はない。理由を聞こうか悩んだが、結局怖くて聞けなかった。
『お待たせいたしました』
料理を彼の前に置くと、やっと私は彼の視線から解放された。改めて彼のことを見る。とても可愛らしい顔立ちだ。この髪色が似合うのはやっぱり彼が美形だからだなぁとぼんやり考える。
料理を食べ終えた彼は、お茶をごくごくと飲みほしてダンっと湯呑みを机に置いた。
「テメェ、マイキーに何しやがった？」
急に空気がピリピリとし始めた。
マイキー、という人に心当たりがない。怖さに耐えようと手をぎゅっと握りしめた。
『マイキー、さんというのは、どなたの事ですか？』
「あ"？」
彼の眉間に皺がよる。なぜ彼が不機嫌なのかも分からないし、私がどうしたらいいのかも分からない。
「佐野万次郎だよ知ってんだろ？」
よくこの店に来てるもんなぁ？と彼は続けた。
佐野万次郎…？この人は佐野さんとどういう関係なの？
とりあえず彼の最初の質問に答えなければ、
『私は、佐野さんにご飯を作っただけです』
でもそれは料理屋として当然のことだ。私が気づかないうちに、何かしてしまったのだろうか。
「じゃあテメェは何が目的だ？」
彼の質問の意図が全くわからないけど、早く質問に答えないと何か悪いことが起きると直感した。
『佐野さんは、普段あまり体調が優れないみたいなので、たくさんご飯を食べて、元気になってほしいと、思ってます。』
チッと大きな舌打ちをした彼は暫く黙って、そのままお金を置いてお釣りも受け取らずに出ていってしまった。
『あの！お釣り、』
急いで追いかけたが彼の姿はもうなかった。
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華月 - 料理系大好きですｯｯ！！これからも頑張ってください！！応援してま〜す！＼(^o^)／ (2022年5月3日 17時) (
レス) @page9 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年11月5日 5時) (レス) @page6 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 夢主ちゃんのお店、普通に繁盛しそう((( (2021年10月16日 10時) (レス) @page4 id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - 暖かくって癒しかんがある…! 更新楽しみにしてます！！ (2021年10月10日 16時) (レス) @page2 id: 1ba1957d47 (このIDを非表示/違反報告)
できれば自分で死にたいねこ - 好うううううううううううううううううき❤ (2021年10月9日 23時) (レス) @page2 id: 60f0d95172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚 | 作成日時：2021年10月9日 13時
