仮面舞踏会のお姫様 [まふまふ/天月] (ページ4)

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仮面が二枚ページ4

「ふふ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ？」

西の王子＿ゾア・真冬。

「ここのスイーツ美味しいよね！」

東の王子＿ルイス・翔太。

真冬と翔太は、お皿を一枚手に取りスイーツを乗せる。
そしてそのスイーツを頬張った。

「やっぱり美味しい！」

「ね！」

生クリームがほんのりと甘く、上に乗っている苺が甘酸っぱく、良い役割を果たしている。
そして、チーズの特有の風味と甘さ。とても美味しい一品だった。

Aは、真冬と翔太を見てまるで自分も負けていられない、といっているように
口いっぱいにスイーツを頬張る。
脂っこくなく、胃もたれもしないのでAは、もう一口、もう一口と口に入れていった。

「ふふっ…Aちゃん、ほっぺにクリーム付いてる」

真冬はそう言って、クリームが付いているほっぺを指した。

Aは、頬をほんのりと赤く染めて、ペタペタと頬を触っていく。
これまたそんな姿が愛らしく、真冬と翔太はきゅんと胸が高鳴った。

「ああ、そっちじゃないよ。こっち」

翔太はそう言って、Aの頬についているクリームを指ですくい、指の先についた
クリームをペロッと舐めた。
何処かそんな行為が色っぽく、耐性の無いAは、ふいっと顔を横に背けた。

「…甘いね」

耳元でボソッと囁くように、低い声で言う翔太。
かっこいい声に、Aは、ぼんっと顔を赤く染め上げる。

果たして、クリームの甘さだったのかAの事だったのか…
誰一人と分かりやしない。

暫くの間、スイーツを食べていると、ダンスを交える時間がやってきた。
綺麗な音色の音楽に合わせて、足を動かす貴族。

仮面を被っているので、相手が誰か分からないが、異性と踊るというルールがある。
顔は分からなくとも、体格で女性か男性か区別がつく。

真冬が、Aの瞳を捉える。
そして、Aの前に膝まづいた。

「僕と踊ってくれませんか、お姫様？」

Aは、真冬が差し出した手に、恐る恐るながらにぽんっと手を乗せる。

「…喜んで」

Aがそう言うと、真冬は嬉しそうに立ち上がり、社交ダンスを交える。
第三者の目から見ても、完璧すぎる踊りで、誰もが見とれてしまう美しい踊りだった。

貴族は、足を止め、Aと真冬の華麗な踊りに見入る。

最後は、ライトランジで全てを飾った。