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「…ねぇ、」
「……っ、」
「……ねぇ!」
「………っ、」
「…ねぇってば!」
「………なに」
「…なんで返事してくれないの、、
ってかどこにいくつもりなの?」
「…………っ、、ん〜」
そんな曖昧な返事をしたのんちゃん。
私にはのんちゃんの考えていることが1つも考えられなかった。
「………ん〜って、、」
「変な所じゃないから安心してな」
「…っ、そういうことじゃ、」
「………っ、、」
「…そういうことを言いたかったんじゃない、、、」
「………っ、」
どうしてそういう意地悪なことばかりいうのか。
私はもう、結婚を前提にした彼氏がいるっていうのに、
私はもう、のんちゃんに遊ばれるような女じゃ…
「ついたよ!」
「……えっ、、」
「ん?どうした、?」
「…ここただの海じゃん、」
「………そうだよ。」
「…なんで海?」
「いや、ここに来たかったから」
のんちゃんが立ち止まった先には海があった。
ここは私の家の近くにある、丁度日の出が見える絶景スポット。
よく、のんちゃんともここへ来て遊んでた。
「……行こ?」
「…………っ、」
のんちゃんとここへ来るの何年ぶりだろう。
そういえば今日、母に照史くんと海でも行ってきなって言われてたっけ。
でも照史くんはそんなこと気にせずにお酒飲みまくってたけど。
彼のことだからどうせどんなに昔好きだった海でも私となんか行きたくないんでしょ。
「…ほら。綺麗でしょ?」
「……子供の頃から飽きるほど見てきました、笑」
「………ふふ笑笑」
なんて言ってその場の砂浜に2人で腰掛けた。
「子供の頃なぁ?、」
「……っ?」
「子供の頃、よく。
嫌なことがあるとここ来てたんだけど、それが今でも癖になってて、笑笑」
「それで大人になった今でも来ちゃうんだよな。」
「……………っ、、」
のんちゃんは何かを悟るように言った。
「…そうなんだ。」
「…じゃあ、のんちゃんの上京しない理由ってもしかしてそれ?」
「…………っ、、
それもあるかもな、笑」
「……っ、、」
「俺なんか子供みたいやな、嫌やわ!笑」
「……っふ、笑」
のんちゃんは今でも子供だよ。
ずっと甘えん坊さんな子供。
私はさ、そんなのんちゃんが好きなんだよ。
「…のんちゃんの話聞いてたら私も悩み晴れたかも。」
「……絶対嘘やん、笑笑」
「………うん。ちょっと嘘ついた、笑」
「笑笑」
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作者名:また。 | 作成日時:2021年9月26日 1時