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「…いや、にしても気が早いよ!
ほら、私たちで決めるからさ?笑」
「ええ〜?いいじゃないのよ、!」
「……あはは、笑笑」
母は茶化すし照史くんは苦笑いしてるしで、
何故だか久しぶりの実家なのに落ち着かない。
「うぃーす!」
そんなことを話してた突然、玄関の遠から聞き覚えのある声がした。
「……っ!!?」
「あら?!もう来たのかしら?!」
この特徴的な低い声は誰がなんと言おうとのんちゃん。
母が急いで玄関に向かって行った。
「わぁあ!のんちゃん久しぶりね〜♡」
「お母さん〜!久しぶり〜!!」
「はぁ、ちょと、、お母さん………」
玄関にいるであろうのんちゃんを相変わらず可愛がる母
彼の前でみっともなさすぎて呆れてしまう。
「えっ?!お父さんも一緒なの??」
「うん!なんか歩いてたら魚釣ってて一緒に入れてもらった!」
「アジ釣れたぞ!アジ!!」
「ええー!すごいじゃない〜!笑」
どうやらのんちゃんは釣りに行ってた父と一緒に釣りをしていたらしい。
私の実家は全室、和室だからドアがなく非常に声が響く。
楽しそうな会話がキッチンへ段々と近づいてきて、この歳になって恥ずかしいけど何だか昔の自分みたいで懐かしいななんて思う。
「なんかでっかいカニとかいたの!凄かった!笑」
「へー!そうなの〜!笑」
「……ふっ、笑」
「……っ、、」
隣にいる照史くんは引かずに少し鼻で笑ってくれていた。何だか嬉しい気持ちになってしまう。
それにのんちゃんが本当に孫みたいで。
「あ!そうそう!
もうAとAの彼氏の照史くんが来てるわよ!?
ほら見て!2人とも〜」
「えー?マジすか?笑」
なんて会話をしながらリビングに3人の顔が並んだ。
久しぶりに見る父は相変わらず元気そうだった。
「………っ、、」
「……あ、、お父さんとのんちゃん、
ひ、久しぶり」
「お!のんちゃん!久しぶり!笑笑
お父さんも久しぶりです!」
「うぃ!笑」
「あ!2人とも久しぶりやん!笑」
どうやらのんちゃんはこの間のことを気にしてはいない様子。
東京で会ったことも私の母に話す素振りもなく、大分気を使ってくれている。
やっぱりのんちゃんはデキル男だなと改めて実感してしまった。
「いや〜!照史くん変わりましたねぇ〜?!!
なんかかっこよくなったんじゃないですかぁ〜??」
「……お、おう、笑」
「Aも綺麗になったし!」
ちょっと演技が大袈裟すぎる気もしたけど。
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作者名:また。 | 作成日時:2021年9月26日 1時