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私は急いで鏡で髪を整えた。
顔は真っ赤だし汗がすごかった。
｢…っ、、どうしよ｣
｢……Aー！｣
｢………っ、｣
｢……呼んでんで？｣
｢…………っ、｣
今はできるだけ他の人に顔を合わせたくなかった。
でも、このまま無視する訳にもいかなくて。
｢……………っ、ふぅ、、｣
｢…はーい、、｣
私は仕方なく意を決して玄関のドアノブに手をかける。
｢…………っ、、｣
｢……あ、、の、のんちゃんだーおはよーどうしたのー｣
｢…………っ、、｣
｢………っ、｣
のんちゃんは何故かこっちをじっと見て固まっていた。
そうなるとどうしていいか分からなくなる。
｢………え、、、の、のんちゃん、、？｣
｢…っ、｣
｢…………っ、、｣
そんなずっと固まったままののんちゃん。
後ろを見るなり無言で彼に訴えるが照史くんは首を傾げているだけの他人事だった。
どうすることも出来ず、再びのんちゃんに目を移すと
無表情だった顔が段々と笑顔になっていき少し血の気が引いてしまう。
｢………っえ｣
｢うぅ、、、、、A〜！！！｣
｢……ひぃ！！！｣
嬉しそうに私に飛びついて来た。
それくらい飛びつくほど嬉しいことがあったのだろうか
受験に合格した時や嬉しいことがあるときはいつもこうだったので少しは慣れてはいたが、
大人になってからやられると結構歳を感じて虚しくなるなと思った。
｢………重い、、重い、、重い、、｣
｢A〜♡｣
｢……っ、、｣
｢……よかった〜！生きてたんだー♡｣
｢…………っ、、は？｣
｢だって昨日突然部屋に追い出しちゃったから、、｣
｢…………っ、、｣
｢ごめんな？A。｣
｢………っ、昨日、、｣
そうだ、私は昨日のことをうっかり忘れてた。
のんちゃんには彼女がいた。
｢心配したんだからな。俺、結構あの後後悔して。｣
｢………っ、、のんちゃん、とりあえず離れて、｣
｢だから今日謝りに来た！｣
｢ねぇお願い、、、ちょっと離れてよ｣
｢あのカレーやっぱりAに食べさせたくてさ！｣
｢のんちゃん、、、ねぇ｣
のんちゃんってこんな、たらしだったっけ。
昨日のことは忘れようとしていたのに、もう何もかも嫌いになってしまいそうだ。
｢…ねぇ！今日くれば？！俺ん家｣
｢のんちゃん！、、やめてっていっ｣
なかなか話しを聞かないのんちゃんに、怒鳴り声をあげてしまいそうになった時、
突然、私の後ろから手が伸びてきた。
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作者名：また。 | 作成日時：2021年9月26日 1時
