37 ページ37
もうおでんもスイーツも食べる気すらなくした。
｢……もうやだ、｣
そんな惨めな自分の姿を見たらなんだか涙が溢れてくる
照史くんには怒られるし、のんちゃんには家に追い出されるし。
泣いてるからコンビニは目の前にあるのに、なかなか入れなくて
｢……うぅ、、｣
そんな転んだまま涙を流す私に誰かが歩み寄ってきた。
｢………ふっ笑｣
｢…………っ、、｣
その人は私を見下ろすなり鼻で笑った。
ビックリし、急いで上を見上げると
｢…なにしてんねん｣
そこには照史くんがいた。
｢………えっ、、なんで、｣
｢お前さぁ、ほんとにドジだよな。｣
｢………………っ、、｣
さっきまで嫌いと言い張ってたのに、しゃがんで目線を合わせる照史くんにキュンとしてしまった。
｢………心配してよ｣
｢なにそんなことで泣いてんねん。アホか。｣
｢……………っ、、うるさい、｣
｢コンビニで絆創膏買ったるから、はよ立て！｣
｢……………っ｣
｢…………っ、、、｣
｢………ほら。｣
なかなか立たない私に彼は、大きな手を差し出した。
そして私がその手を掴んだら、
｢……寒そーな格好してんな〜笑笑
何月やと思ってんの？笑｣
なんて言って自分の着ていたジャケットを私に雑に被せてくれる。
｢…………っ！！｣
｢…………っ、｣
｢………ありがと、、、｣
そのツンデレなのか不器用なのか分からない優しさに、
私はキュンとしてしまう。
今の私には、心配する言葉なんて要らなかった。
彼のこと丁度いい優しさが、私には丁度いいと。
｢………でもたまには優しくしてよね、｣
｢……え？｣
｢なーんでもない！笑
おでん食べよ！｣
｢え〜、、、おでん嫌やわ。｣
｢食べてよ！｣
｢お前が勝手に食えばええやん！笑笑｣
｢一緒に食べたいの！｣
そんな日常が、ずっと続けばいい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：また。 | 作成日時：2021年9月26日 1時
