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「……危なっ、、、」
すぐさま私は慌てて角に隠れ、気づかれる前に身を隠した。
「やっほ〜笑」
「おー!待ってたよ!笑」
「はいってはいって!」
「うん!笑」
そんな会話をしてたのしそうに会話をする2人
姿すら見えないけど楽しそうだ。
「……………っ、、」
私は、ゆっくりと部屋に入っていくのを確認し、
ふぅっとため息をつく。
なんだか悪いことをしている気分だった。
「……………はぁ、、」
あの女の人は紛れもなくのんちゃんの彼女だ。
のんちゃん彼女いたんだ、なんて。
外せない用事って彼女がくるからだったのか。
彼女がいるのに私を部屋に入れるなんて。
すくなくとものんちゃんは私を助けてくれたのに、そんな意地悪なことばかり思ってしまう私は性格が悪い。
と共に、少し嫉妬してしまう私もいた。
『体に毒だよ』
あの日家へ来た時に言ったのんちゃんの発言。
それは、のんちゃんのことを言ってるのだろうか。
「……体に毒って、、、、」
そんなことここで考えてもキリがない。
のんちゃんにとって私はただの脇役だ。
出番は終えた。さっさと帰ろう。
マンションの外へ出て、
帰り道へ歩いてるのは言いものの、
東京の夜の空気は昼間に比べてだいぶ寒かった。
マフラーもしっかり使ったのに洗って返しもせずのんちゃんの家に置いてきてしまった。
靴はブーツだったのが唯一の救い。
「……さむぅ、、」
でもこのブーツの欠点は、ヒールが高いのだ。
もう何年も前に誕生日プレゼントで照史くんがプレゼントしてくれたもの。
「…歩きづらいわ!このヒール、」
そんなことブツブツ独り言しながら、これからご飯を作るのはめんどくさかったので近くのコンビニに寄ることにした。
「コンビニ暖かいといいな、」
この時期はレジの前に熱々のおでんがあるのでとてもテンションが上がる。
期間限定のココアジュースもいいし、スイーツもいい。
考えただけでもテンションが上がる。
コンビニへもうすぐつく頃、そんな浮かれたことを考えていた時
暗くて見えなかった結構デカめな石につまづいて私はド派手に転んでしまった。
「……痛っ!!!」
相変わらず、今日ついてないな。
足元を見れば血は付いてるしブーツは汚れてるしで。
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作者名:また。 | 作成日時:2021年9月26日 1時