昔と今【橙】 (ページ4)

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私は彼に顔を近づけても否定しない素振りをしたのを確認し

そのまま目を閉じて唇を付けた。

｢…………っ、｣

｢………っ、、｣

短いキスだったけど私の心は満たされた。

キスしたの何ヶ月とかぶりだろう。

少し照れてしまう私とは境に彼は真顔のままだった。

｢………っ、｣

｢………っ、、ハレンチやなぁ。｣

｢………っ！！ちょ、、バカ！｣

｢ふっ笑笑笑｣

｢……あっ、、｣

笑った。

私に笑う顔見せるのいつぶりだろう。

再び、ご飯を食べ進める彼。

いつしか私は、彼がいつぶりに何かをした。
そういうことばかりを考えてしまっていた。

彼がこんな性格になったのは私のせいなのだろうか。

昔は違った。

彼は元々沖縄の海が好きで、
よくバイクに乗ってはフェリーで私の地元に遊びに来ていた。

海に行った時たまたま出逢ってそのまま付き合い、

数年後には、2人で東京に上京した。

それからしばらくしてからだ。

彼が変わったのは。

沖縄に遊びに来ていた頃は、

よく笑う元気な人で、

愛嬌も良く、誰にでもよく気遣える人だった。

そんな彼を私の母は気に入り、付き合う前も付き合った後も家に招き入れることが多かった。

私もそんな彼に惚れた。