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｢………のんちゃん｣
｢……………っ、、、｣
｢…のんちゃん｣
｢……………っ、、、
なんか、、嫌なことあった？｣
｢……………っ、、｣
曖昧な返事して俯く私にのんちゃんは慌てた。
また困らせてしまってるみたいだ。
｢………そんな薄着してたら風邪ひくよ。
寒かったでしょ。｣
｢………っ、｣
そう言って、のんちゃんは私に自分の首に巻いていたマフラーを手に取り
私の首にゆっくり巻いてくれた。
｢…………っ、、｣
｢……ありがとう、、、｣
｢…………うん、｣
｢…………っ、、｣
｢………っ、、｣
向こうも私も、なにも話したらいいのか分からずしばらく無言が続いた。
のんちゃんは無言が気まづいのか、口笛を吹きながら辺りを見渡し始める。
その姿が何だか愛おしかった。
｢…………っ、、ぴゅ〜🎶、、｣
｢…………っ、、これからお買い物行こうと思ってて｣
｢……………っ、、｣
｢……でも、やっぱ今日はいいや。｣
｢…………あー、、そうなんだ、｣
のんちゃんは、私を横目で見た。
｢………っ、｣
｢……うちくる？｣
｢…………っ、｣
｢俺ん家。
なんか、今日〜、Aの好きなカレーらしいよ〜？
…………多分｣
｢……………っ、、｣
｢………まぁ、俺が作るんだけどさ、、、、｣
のんちゃんはきっと、私が家に帰れない状況にある事を察してくれたのだろう。
その事を私が傷つかないように言わないでくれてるのだろう。
｢…………のんちゃんありがとう、、｣
｢………っ、、ん？｣
｢でも、いいよ。悪いから。
マフラーありがとね。洗って返すよ。｣
｢……ちょ、待って待って｣
｢………っ｣
｢俺が来て欲しいだけ、、だし。
………ってか、こないだ付き合ってあげたんだから今度は俺と付き合えよ。
お買い物前なんでしょ？｣
｢……………っ、、｣
嘘つき。私のためを思っての行動なくせに。
｢…………でも｣
｢いいじゃん。てか、断る選択肢ないし？
いくぞ｣
｢…………っ、、、｣
どこまでのんちゃんは優しいんだ。
前に会った時よりも遥かに大人びてて、考え方も誠実
きっと大学で色々学んだんだろう。
っと思っていたら、のんちゃんは先に行ってしまっていて。
今日ものんちゃんの優しさに甘えることにしてしまった。
こんなの浮気だよね。
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作者名：また。 | 作成日時：2021年9月26日 1時
