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｢………っ、最悪｣
外に出るならもっと厚着してくればよかった。
彼が私を迎いに追いかけてきてくれる訳をなく。
私だったら寒さに凍えてる彼氏を想像したら堪えきれない。
なんて自分を棚に上げておく。
家に飛び出した時にカバンも一緒に飛び出してきたのでちょうど良かった。
買い物行く前だったから買い物に行くことにした。
いつ帰るかわかんないけど。
｢……………寒い、、、、｣
缶コーヒーでも買いたいけど、この辺りには自動販売機がない。
そういえば、昔は2人でひとつの缶コーヒーはんぶんこしたよね。
あの時間が幸せなんて、気づいた頃には遅かったけど
そんなことを考えている間に、
自動販売機を探してる時間よりスーパーに行く方が早いと思ったので私は、
缶コーヒーを買うのはスーパーにつくまで我慢しようと決めた。
｢…………っはぁー、、、｣
いつも一人の時は人混みが嫌いなので1人路地裏を歩く。
昼間だと誰もいなくて落ち着くし、野良猫も鑑賞できる。
私には最適な場所だ。
ここに滅多に人が現れないのは、路地裏と言うこともあるが、1番の理由が夜はヤクザやヤンキーが出回ってるって噂があるからだ。
私はそんな噂信じない。
だってこの道、ここ数年通り続けてるけど誰とも会ったことないから。
誰とも会わない。なんて素敵な条件なんだ。
｢ずっとここにいっ｣
｢あれ…………A？｣
突然、後方から誰かに喋りかけられる。
｢…………っえっ、、、｣
ここで人に会うなんてここ数年間ないって話だったのに
こんな所通るなんて、もしやあの噂は本当だったのか
ヤンキーやヤクザが通るって噂。
｢…………っ、、｣
さっきまで噂なんて信じないって言ってた自分の発言を撤回したい。
このまま逃げようと思いたいが、まだ誰かも分からないのに逃げるなんて不自然だ。
しかも相手は私の名前を知っている。
きっと、友達かなんかだろう。
そう頭を回転させ、私はゆっくり後ろを向いた。
｢……………っ、、｣
｢あ！やっぱりAじゃん。｣
｢……………っはっ？｣
｢こんな所通るんだ。俺、今日ここ初めて来て。
なんか薄気味悪いな！笑｣
｢………の、のんちゃん、、？？｣
｢…………どうしたの？そんな暗い顔して、、、｣
まさか、のんちゃんがここに居るとは思わなくて。
照史くんとは比べ物にならないくらいの優しさに、私はまた甘えてしまう。
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作者名：また。 | 作成日時：2021年9月26日 1時
