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重たい目を開けると微かな物音といい匂いがした。
｢…………っ？｣
体を起こし、当たりを見合わした。
｢………あっ、A｣
そこにはしげが1人でキッチンに立つ姿が、
｢………っ、しげ｣
昨日の記憶がフラッシュバックする。
『…………っ、Aが俺を好きじゃなくても
俺はAが好き！！！…………』
嬉しいけど、今は違う。
(…………なんて贅沢なんだろう、)
｢………今日起きたらさぁ、
3人仲良く寝てたから笑笑
なんでやろ〜思って。
よく考えたら俺酔っ払っとったわ！｣
｢……………うん、、、｣
｢…え？A俺帰ってきた時起きてたん？｣
｢…………………｣
｢………しげ、、、教えて。｣
｢………………………っ、、、、なにを？｣
しげは私が何を話したがってるのか分かってるんだろう。
｢…………っ、、、なんで帰ってこないの？
どうして私に！……………｣
｢……………っ、、、、｣
｢…………パンでええか？｣
しげはキッキンに立ち俯きながら話を逸らす。
｢……しげ！！！｣
｢………………｣
私はすぐさま立ち上がり、重岡の両手を掴んだ。
｢……私は！、、、しげに話して欲しいの
ずっと一緒に暮らしてきたから、、｣
重岡は俯いたまま。
｢…………っ、｣
｢…逃げてばっかで。
なんか話してくれてもいいじゃん。｣
｢…………っ、
逃げることしか出来ないんだね。｣
(私にしっかり気持ちも伝えないままにして)
少し言いすぎたかもしれいない。そこまで言うつもりじゃなかった。
私が思った通り、
その言葉が全てを無駄にした見たい。
しげは一気に表情を変えた。
｢…じゃあ、、、
口ばっか動かしてないで行動に移して見ればええやん｣
｢…………………っ、｣
(………なにそれありえない。)
しげは私を突き飛ばし、玄関へ向かった。
私はしげに言われたその言葉がショックで、
そのまま突き飛ばされ床に倒れ込んだ。
家の中には、
しげが飛び出し出ていった玄関の音だけが響いた。
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作者名：また。 | 作成日時：2021年8月9日 16時
