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しばらく2人で学校の帰り道を無言で歩いていると、ついに小瀧くんが口を開いた。
「……あのさぁ。A?」
「…………っ、、ん、、ん??、、」
突然歩くのを辞めるもんだからびっくりしてしまう。
そして彼は、決心するかのように素早いため息を漏らし1人で頷いた。
「………さっき重岡にね。」
「嘘ついた。」
「………ん?」
主語が全くないこの一言は、どういう意味を表しているのだろうか。聞こうにも聞きづらい。
「………俺は。Aと同棲してる。」
「………は、はい?」
その瞬間、私の頭の中は真っ白になった。何を根拠に言ってるのか全く想像もつかなかった。
「…あのな。聞いて欲しい。」
「さっき、重岡に言われたんや。」
「小瀧、Aさんとそういう関係やないんやろ?ならさぁ、お前やめた方がええで。勘違いされるし。お前アイドルやぞ?!」
「…………」
確かに重岡くんの言ってることは正しい。何も間違ってない気がする。
「…A謝らせて欲しい!!」
「ほんまごめん!!!!」
「……い、いや、、あの、、話の内容が分からなくて、、」
「………実はその後、重岡にそう言われて、、」
「咄嗟にAと同棲してるっていっちゃって、、」
「……えっ、、い、いやいや、おかしいおかしい!!」
多分、小瀧くんは私が思ってるよりも天然で人との距離のとり方をわかっていない気がする。
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作者名:また。 | 作成日時:2021年7月25日 1時