複雑と曖昧なシェアハウス【赤＆桃】 (ページ8)

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高校時代6 ページ8

｢………っ！！！！｣

何が起こったのか一瞬わからなかった。

そこに居たのは小瀧くん。びっくりする私を前に頬っぺを膨らまして拗ねた表情をしている。怒りたいのはこっちだが。

｢………帰ろ。｣

｢………はぁ、、？｣

なんで今私は彼に帰りを誘われているのだろうか。小瀧くんの誘いにあっけらかんとしているのはさっきまで大声を上げて騒ぎ立てていた彼女達も一緒だった。

｢………な、、なにを言ってるのか分からないです、｣

｢…………なんやそれ。てかイヤホン両耳にすんのやめや！！俺の声聞こえへんくなってるの嫌やわ！｣

名前呼びの挙句にそんな事いうのはやめて欲しい。今のこの会話は聞く人にもよってはまるでカップルの様にも聞こえてしまう。

｢……………っ、｣
｢……ええやろ？？｣

いい加減にしてくれないかな。

少し怒りの表情を見せた私を気にもせずに小瀧くんは突然、私の腕を掴み机にかかっていた私の荷物も持ち強引に歩き出した。

｢いや、、、おかしいよ、、｣

小瀧くんはアイドルという自覚がないのだろうか。
今もこうして私の腕を引っ張って廊下を歩いているし、学校には小瀧くんをアイドルとしてのファンがいるのにも関わらず。

｢おい、小瀧！！｣

突然誰かの大声が廊下に響き、こちらへ近づいてくるであろう足音も聞こえてきた。