高校時代3 ページ5
｢………うん。ないよ。｣
｢……え、？｣
｢……仕事。｣
｢……ないんだ、｣
｢……うんー、なんか。皆に着いてくの面倒くさくなってさぁ笑｣
小瀧くんもそういう所あるんだ。なんて思っていると、片耳につけていた私のイヤホンを掌に返してくれた。
｢よし。……じゃあね。｣
そう言葉を残し、彼は1人で教室を出た。
それから数日たったある日、
お昼の時間が来て、私は1人ボロボロになって誰も使ってない教室に向かった。
これが私のルーティンで、別に虚しさを感じたことはあまりない。
そして、別に誰がいるという訳ではないのだが何となく、教室の隅っこを座りコンビニで買った水と菓子パンを口にする。
しばらく静かにパンを食べていると、いつもは聞こえないはずの扉を開ける音が教室に響いた。思わずドキッとする。
｢………っ！！｣
｢……あっ！｣
そこに居たのは小瀧くん。
｢………え、、ここでお昼食べてるん？｣
｢……う、、うん、、｣
｢……そっか。じゃあ俺もお邪魔させてもらおうかな。｣
てっきり引かれてしまうのだと思っていたからすんなり言葉が帰ってきてビックリしてしまった。
｢……隣座ってええやろ？｣
｢…………うん、｣
ええやろ？なんて言い方をされてしまったら断りずらい事くらいわかって欲しい。
｢……A、お昼食べるときでさえ誰も居ないのにも関わらず端っこにいくんやな。｣
それは馬鹿にして言っているのだろうか。もしくは悪気なく言っているのだろうか、全く分からない。
｢………名前呼びやめて貰ってもいい、？｣
｢………おぉ、、、ごめん、｣
私がそう言うと余りにも悲しそうな顔をするから申し訳なくなってしまい、今度は私から話を降った。
｢……小瀧くん、なんでここに来たの？｣
｢………お昼食べに。｣
｢そんなの分かってる。｣
小瀧くんはキョトンとしていた。
｢………普通に、、1人で食べたいなって。思ったからやな。｣
｢……………っ、、｣
｢…なに？！笑笑｣
｢……いや、、意外って言うか、集団が好きそうなイメージがあったから。｣
｢…なんやそれ笑｣
今ちゃんと初めて話してみて、小瀧くんって見掛けだけじゃなくて、周りの意見に惑わされず自分の意見をしっかりと自覚できているって思った。
彼にファンが多い理由がわかった気がする。
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作者名：また。 | 作成日時：2021年7月25日 1時
