お金 ページ4
佐「こーじぃ！！！」
向「お、さっくん！おはよぉ〜」
佐「はよはよ！！５分くらいスマホじっと見て何してんの？？」
向「見とったん！？！声かけてや！！……中高の同級生にこの前偶然あってな？あんま話せんくて…連絡してもええかなって悩んどったとこ！」
佐「え、いいじゃん！悩む必要なくない？？仲良かったんでしょ？」
向「……せやなぁ…俺は仲ええと思っとるんやけど…」
佐「…その反応…元カノとか？…なわけないか！！康二だし円満解決してそうだし！！」
向「………」
佐「…え、ガチ？？」
向「いや、ちゃんと別れとるから！！」
佐「…女の子との連絡は控えた方がいいんじゃない？今せっかく映画も好スタートで勢いついてるし。しかも元カノって……まだ好きなの？？」
向「…人として好きやで？もう彼女って目線やないよ。………ただ、気になって」
佐「何が？？」
向(……「サクラ」。父親って感じでもなかった。まるで………恋人みたいな……)
『ｯｸｼｭｯ』
「大丈夫？」
『うん、ごめんね…花粉かな？？』
「もう春だしね。どこか入る？？」
『私ももっとタクミさんと一緒にいたいしそうしたいんだけど…先に言っておいた通り、明日朝早いからこの辺でお別れしなきゃなの。……私がもっと時間のやりくりが上手かったら良かったのに』
「大丈夫、寂しい思いはさせないよ……サクラにまた会いに来るから」
『！ありがとう…！！』
…寂しい思いはさせない、ね
彼氏ですら言ってくれなかった言葉を妻子持ちの男が平気で言ってくる
「おねーさん、おねーさん。1人？」
『………急いでるので』
「さっきのパパ活？」
『どいて下さい』
「そのカバンもパパに買ってもらったんでしょ？俺もそれくらい買えるよ〜今夜、どう？？俺がおねーさんを世界で1番幸せな女の子にしてあげるよ」
うるさいな
あなたは客じゃないでしょ
私が欲しいのは物でも愛でもない
ただ、自分を裏切らないお金だけ
『これ以上着いてきたら通報しますよ』
「…ﾁｯ、んだよ」
向「……連絡、返ってこんなあ」
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作者名：しらぬい | 作成日時：2023年8月1日 11時
