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恋文2.5 ページ5

side K.H

いつ読むのだろうかと思うと授業どころじゃない。
目の前で読まれるのは恥ずかしいけど知らない所で読まれるのも中々にドキドキする。

50日の間こうやって毎日ラブレターを渡すのかと思うと少し緊張してたりする。

字が汚いって思われてないか。つまんない内容って思われてないか。正直、不安しかない!!

ちらりと斜め後ろのAちゃんの席を見る。

「う……」

「……急にどうした?」

隣の席の松田が何言ってんだコイツ……って顔で見てくる。

「Aちゃんが……手紙読んでる……」

「ん?……ほんとだな。良かったな、読まずにポイっとされなくて」

いやあの子の性格なら読んでくれるとは思ってたよ?!でも実際に読んでる所を見ると……緊張と嬉しさが身体の中を駆け巡っている。心臓が大きく鳴る。ヤバイ、早死するかもしんない!

「松田……これがあと49日続くんだよ?俺、死ぬかもしれない……」

黒板の方を向いて先生に授業真面目に受けてますよアピールをしながら隣につぶやく。

「死んだら付き合うもなんも無くなるけどな」

「生きるけど」

チラリともう一度Aちゃんを見れば、ばっちりと目が合う。

どうしていいか分からず、俺はウインクしてみる。

何か反応ないかなぁとか思ってると、Aちゃんは何故かじいぃっと俺を見つめる。え?なに?怒ってんの?それとも見つめるってことはちょっとは意識している感じ?

ヒラヒラと手を振ってみる。大丈夫か〜?の意味を込めて。
するとハッとしたAちゃんが手を合わせて、黒板の方を向き直った。
たぶん、ごめんって意味の手を合わせるポーズだなこれ。あの見つめる行動になんの意味があったかは分からない。でもさ、ちょーっと期待するよ?しちゃうよ?

「Aちゃんがこっちじぃって見てた。俺、意識されてるかな?」

「俺はアイツじゃねぇから知るかよ。つーか、本当に惚れ込んでるな。お前があわあわしたりするの見るの珍しいわ」

そうか?……あ、でもこんなにルンルンしてるのは初めてかもしれない。今まで流されるまま付き合って別れてを繰り返していたから。

好きって不思議な感覚なんだね。

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夜船と北窓 - この作品好きすぎて一気に読んでしまいました。出来ることならまた更新を再開して欲しいです。萩原さんめっちゃ好きなんです! (2021年5月4日 3時) (レス) id: 76d34d17f2 (このIDを非表示/違反報告)
悠乃(プロフ) - 青木柚里奈さん» お返事遅くなってしまいすみません!嬉しい感想ありがとうございました(*^^*) (2020年11月6日 17時) (レス) id: b7a9621ba5 (このIDを非表示/違反報告)
青木柚里奈(プロフ) - あー!最高!続き楽しみにしていますぅぅう!! (2020年6月11日 2時) (レス) id: aecf756759 (このIDを非表示/違反報告)
悠乃(プロフ) - 和美/美香さん» コメントありがとうございます。もしもの話も気に入って頂けて良かったです(*^^*)続きも楽しんで読んでいただけると嬉しいです。ありがとうございます! (2019年11月27日 11時) (レス) id: b7a9621ba5 (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - もしもの話めっちゃ好きになった!こっちも読みながら冷や汗します。続き頑張ってください。 (2019年11月12日 12時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠乃 | 作成日時:2018年9月10日 1時

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