園内恋愛≪紫≫ (ページ3)

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「大毅くんにとって、

ぱぱの存在が一番大きくて、

大切だったと思いますよ。

大毅くんぱぱは

何もしてやれなかった。って

思っている部分があるかもしれないですけど、

それは断固して否定しますからね。

ぱぱのその笑顔見ていたら

自然と笑顔になって、

傍にいてくれるだけで

不思議と大丈夫かも。

なんて思えたと思います。

私も大毅くんぱぱの笑顔に

何度救われたことか…(笑)」

大毅くんぱぱは優しい顔で

私の話を長々と聞いてくれていた。

「あ、ごめんなさい。

いち保育士としての意見です。

子供も産んだことないのに

偉そうに失礼しました…。」

「いやいや！

それを言ったら俺も子供産んでは無いので(笑)

ただ、素直に嬉しくて。

保育士さんに言われた。とかではなくて、

1人の女性に。

Aさんにそう言ってもらえたことが

すごく嬉しかったです。」

私の顔が、

徐々に赤くなるのが分かって、

変なところが汗ばんできて、

穴があったら隠れたい。

そんな気持ち。

「A先生…？？」

大毅くんぱぱはすごく心配そうに顔を覗くけど、

私にとってそれは逆効果で、

みるみるうちに遠のく意識と、

＿Aせんせい！！

と叫ぶ大毅くんの声で

目を閉じた。

.

「どんな夢見てんねやろ？」

目を開けて最初に入ったのは

ひそひそ声でぱぱに喋りかける大毅くん。

そして私と目が合う

大毅くんぱぱ。

「A先生！」

「ごめんなさい…。

私…何しました…？」

大毅くんぱぱと話していただけで倒れ、

養護室で

お迎えの時間まで爆睡って…。

「少し疲れていたんですかね？

すみません。俺が長々と喋りすぎたせいで。

迎えに来る時には起きてるかなって

思って覗いたら、まだ寝てて。」

謝るぱぱの隣で、

静かに座っていた大毅くんが

勢いよく椅子から飛び降りた。

「Aせんせいおきたからあんしんした！

そとであそんでくるなぁ！」

笑顔で飛び出していった。

「すみません。

ご迷惑おかけしました…。」

頭を軽く下げ謝るが、

返答がなく不思議に思い顔を上げると

少しの間、私の目を見つめ、

静かに手を握った。

「え…？」

「朝、言いそびれて…。

園内で言うようなことじゃないって

分かっているんですが。」