4つ目の夢【rbr side】 ページ6
ふわふわと微睡みの中前に見た夢の続きのように己の耳には何かの機械の接続音のようなそんな音が聞こえる
その音にゆっくりと瞼を開ければ完全に前回の続きのようで振り返った所での景色が広がっている
あぁ、ここはあの声の主の居る場所だ、ならばあの声の主の元へ行かなければ、そう思った俺は急いであの声の主が居る場所へと少しだけ駆け足で行く
居た、辺りを見渡してもそれらしきものは見当たらないしスピーカーすらもないからこの子があの声の主なのだろう、その子が目を瞑ったまま大きな容器の中でふわふわと浮いている
その子のその姿はどこか神秘的で俺は直ぐに惹かれた、ジッとその子を見ていたらその子が目を開けこちらに手を伸ばしてきた
｢うわっ、う、動いた…い、生きとるんか…？｣
いや、前回話しかけられたのだから生きていて当然なのだが俺は驚いて少しだけ情けない声を出してしまう、その子を見てはなんだか触れたくなって容器越しにペタリとその子と手を重ねるように添えたらその子がクスリと笑った
じわりじわりと己の頬に熱が集まる、その子の笑った顔が脳裏に張り付いて剥がれない、ドクリドクリと心臓が高鳴る、あぁ、なんて可愛らしい顔で笑うのだろう、ぼうっとそんなその子の顔を見ていては
《ねぇ、あなたは、だぁれ？》
そう聞かれてしまった、ぼうっとしていたせいで頭が働かなく
「え、ぁ……えっと、俺、ロボロ、ロボロって言うねん、君は？」
そう、答えてしまった、いやなにしてんねん！この子が敵国の子の場合情報を開示したという事になる、このご時世名前だけでも結構ヤバいのだ、だけれどこれは俺の夢だし少しくらいはええ…よな？その子の名前も聞いてしまったがその子は何も言ってくれない、もしかしたら言いずらい名前なのだろうか、ならば
「あ、言えんなら無理して言わんでもええで、どうせ、夢やし」
そう伝えた、夢ならばまた会える保証はないしと言うか己の夢なのだから己が作り出してしまった子かもしれないだから言わなくていいと、その子の名前を知れないのは少し残念だがその子はそれに満足したらしく
《そうだね、ゆめだね、ねえ、ロボロはさ…》
それから色々な話をした、少し自慢するように幹部だということやそこでの仕事それと仲間の事も話をする度にその子が笑うものだからつい話しすぎてしまうそうしてその子が
《いいな、すごくたのしそう、うらやましいな》
そう言って涙を流すその子の姿はとても綺麗だった
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作者名：代覇(シロハ) | 作成日時：2020年7月6日 3時
