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怪我 羽生結弦 ページ12

美琴side

結弦が怪我をした
落ち込んでいたし、イライラしていた。

『結弦…』

結弦に近づき手を伸ばそうとした

『ッッ…』

ドシッと壁に投げられた
けど痛くなかった

結弦「はっ…!ご、ごめん!わざとじゃ…!!」

結弦は今、冷静じゃない。

『大丈夫。大丈夫だから、ね?』

ニコッと笑い返す

結弦「ごめん、本当にごめん。」ダッ

『結弦!!?』

結弦は足を引きずりながら自分の部屋まで走って行った。私は思わず泣いてしまった

『結弦……』

声を殺して泣いた
机の上でうつ伏せになりながら泣いた

結月「お母さん…?泣いてるの……?」

『結月…』

結美は塾に通っててまだ帰って来てなかった

結月「お父さんと喧嘩しちゃった?」

『そうじゃないよ、結弦は何もやってない。ただ、結弦が自分の部屋まで足を引きずってる姿を見ると泣けてくるの。』

結月「何で?」

『助けられなかった。怪我をさせてしまった。』

せっかく大学を次席で卒業したのに
結弦のためにと、医療系の大学を選んだ。

『結弦のために大学を出たのに』

『無駄だった。』

私は無力だった

結月「無駄じゃないよ」

結月が、結弦とダブった。
まぁ、そうだろう。だって親子なんだから

『ッ、ありがとう。結月』

少しでも痛みを取れれば
少しでも結弦の負担が減れば

『薬、薬を作ろう。』

結弦のために、薬を作ろう。

 ̄ ̄ ̄

結弦side

美琴から逃げた
見てられなかった
“大丈夫”だと言って笑ってる姿が
俺は、逃げた。

結弦「情けなッ…!!」

怪我をしてイライラしていた
美琴に八つ当たりしたのだ

結弦「結月、美琴は?」

リビングに行き、結月がいた。
結月に美琴のいる場所を聞いた

結月「薬作ってるよ」

結弦「分かった、ありがとな。」

コンコン

『どーぞ』

部屋に来ていた

『!!結弦、大丈夫なの?』

変わらず接してくれる

結弦「ん。多少痛みはあるけど、そこまでじゃないよ。」

『そ。これ痛みどめだから食事後に飲んでね』

スっと渡された
俺は渡された薬をポケットにしまった

結弦「あぁ」

コンコン

『ん?どーぞ』

結美「ただいま。これ塾から出た手紙」

結弦「『手紙?』」

美琴が手紙を取った

〜お知らせ〜

新型肺炎コロナウィルスが急増したので臨時休校致します。我々、マスクや消毒徹底的に対策をしていたのですが女性1人がコロナに感染致しました。保護者様のご協力よろしくお願いします

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作者名:宮野志保 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年11月26日 23時

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