事故 羽生結弦 ページ11
結弦side
視界が暗くなった
結月達と外に出ていたときだった
結弦「美琴!?」
そう、美琴が全身をかけて俺と結月と結美を守っていた。
『えへ、大丈夫だよ。』
絶対に大丈夫じゃない
頭から血が出ていた
結月「お母さぁん……!!」
結美「大丈夫……??」
子供達は涙目だった
結弦「ｯｯ…、手当てしないと。」
パニックになると何やるか冷静に判断出来なくなる。だから冷静に判断して丁寧に手当てしていく
『結弦達を守れて良かった』
それはもう物凄く笑顔で
偽りのない笑顔だった
言い終わった瞬間、美琴は俺の方に倒れてきた。
結弦「美琴!?」
子供達は泣いた
わんわんと泣きながら美琴を揺らしていた
俺は何起こったか分からなかったけど、美琴を抱き、近くの総合病院に連れてった。
医者は驚いていたがそれどころではなかった
早く緊急オペをして貰った
数時間を経て、命は取り留めた。
結月「お母さん!!」
甘えん坊で美琴大好きの結月はまだ泣いていた。結美は美琴を見ないように俺の後ろに隠れていた。見ると泣けてくるんだろう
片寄「結弦!!」
涼太も忙しいのにわざわざ来てくれた
結弦「命は無事」
そう言うと涼太は安堵の溜息をはいた
片寄「なんでこうなったの?」
結弦「俺だってまだ理解出来てない。なんでこうなったのか、まだ分からない。」
急に起きたことだった
片寄「そっか…」
何で守れなかったのだろう
情けない。とても情けない
情けなくて、悔しくて安心して寝てる美琴を見ると、俺も泣けてくる。
ｶﾞﾗｯｯ
誰かが入ってきた
かな「嘘…」
姉「なっ!?」
母親「そんな……」
かなとお姉ちゃんと母さんが来た
慌てて来たのだろう
かなはわざわざ宮城まで来てくれた
結弦「命は無事」
命だけは、まだある。
あとは目を覚ましてくれるだけ
結月「お父さん、お母さんは何時起きるの?」
顔がグジャグジャな結月
結弦「分からない」
俺は今、正気ではない。
冷静でもない
守れなかった罪悪感で押し潰されている
母親「何処行くの?」
結弦「リンク」
かな「こんな時に限ってリンク!?アンタ、何考えてんの!?!?」
俺は何かが切れた
結弦「ここにいたって辛いだけなんだよ!!俺だって傍にいたいし、愛してやりたい!でもさぁ、美琴は起きてないんだぞ?辛いんだ。とても」
かな「ゆづ……」
結弦「俺も今は正気ではないし、冷静でもない。」
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作者名：宮野志保 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年11月26日 23時
