“私の人生を変えた人”【羽生結弦】【片寄涼太】

自信がない ページ45

片寄「ねぇ、なんで、そんなに自信がないの？美琴は結構、可愛いよ？ね、結弦くん」

結弦「あぁ、俺らの紅一点だ。そして、俺らが認めたやつだ堂々としてろ」

『…』

片寄「ずっと、生きて、僕らのとこにいなよ？結弦くんもいるし、白濱達だっているし平野達だっているんだ。みんな、美琴のことが好きなんだよ」

『みんなが…？』

片寄「うん、僕らのいるとこは、みーんな、美琴の味方だよ。裏切ったり、いじめたり、差別するやつは僕がソイツをボコボコにしてらるから」

結弦「ちょっと、俺も含めてよ」

片寄「ごめん、「ら」だったね」

結弦「あぁ」

『…』

片寄「ね、もうさ、前を向いて生きて行こうよ？うしろばっか見てないで前を見て。そしたら幸せだって掴めるかも知れないし楽しいことだってあるかも知れない。そりゃ辛いことも苦しいこともあるよ。それは、美琴だけじゃない。みんな、経験したこと。僕も経験した。苦しかった辛かった、でも、頑張って来たこそ今があるんだ」

『！』

結弦「あぁ、俺だってすぐに絶対王者になれたわけじゃない。苦しい苦しい練習を越えて今がある。フィギュアスケートは怪我も多い競技だ。その怪我を乗り越え、大会で優勝を狙うため、ファン達を喜ばせるために頑張って来た。俺も辛かったよ、大会が出られない時も優勝を狙えなくて、3位以下になったことも。泣きそうな気分になった。辛くて苦しくて死にたいと思った時だってあった」

『私だけじゃ…ないんだ…』

片寄「当たり前でしょ、僕ら人間だよ？しかも、僕は俳優もGENEでは、ボーカルとパフォーマーもやってる。主にボーカルなんだけど。それでも、練習はいる。声が出ない時だってある。その時は凄く死にたい、僕って生きる価値あるのかな？って思った。でも、今、思ったこと僕以外にも沢山いるんだよな、と思った。現に目の前にいるし？僕はそーいうやつを僕らの歌ってる音楽で、ダンスで元気を出して欲しいと強く心から思った」

『涼太…』

結弦「美琴、ネットで乗せてたよな？俺の、俺達のスケートを見て自分も出来ることなら変わりたいって…」

片寄「ネットで？」

結弦「あぁ、多分、当時は共感者が欲しかったんだと思う」

『うん、欲しかった。そして、ネットでの友達が欲しかった…』

片寄「ネットでの友達って危険だと思わなかったの？」

『危険とは思ってない、最初、結弦での話で盛り上がった。その次はアニメとの話で』

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