“私の人生を変えた人”【羽生結弦】【片寄涼太】

1週間後の夜 ページ3

結弦side

羽生「良いとこだなー」

佳菜「スケートリンクはないよ」

羽生「それは厳しいな」

練習してないと鈍るから

佳菜「あっ！！？」ﾀﾞｯ

なんだ？いきなり走って。

佳菜「人が倒れてるよ！！ゆづ！」

羽生「はっ！？」

佳菜「本当だって！女の子が！」

え、うそ！？

羽生「え！？」ﾀﾞｯ

佳菜「あわわ…」

羽生「落ち着けって佳菜」

『……くっそ、死んでやる………』ｸﾞｯ

は？

佳菜「それは、駄目だよ！」

『辛いんで、死なせて欲しい。じゃあ、あなた達が私を殺して下さい。カッターがあるんで』

羽生「……」ﾊﾞｼｯﾎﾟｲｯ

『あ、何をしてるんですか、私の愛用のカッターをすてるなんて…』ｽｯ

佳菜「貴女、血がっ！」

『あー、綺麗な血ですね。見慣れてなかったらすみません』

は、コイツ、サイコパスか？

『あー、お騒がせしてすみません。村上選手と羽生選手』

佳菜「も、もしかして、貴女、これ書いてる？」ｽｯ

『あー、はい、私が書いてますけど』

引き取るか

羽生「佳菜、連れて帰るぞ」

佳菜「家の人は？」

『アイツらから逃げて来たんで。今日、死のうとしたら、あなた達が来たんですよ』

羽生「これに書いてあること本当か？」

『うそじゃありませんよ。私は家族なんて言葉は信じてないし親からの言葉も信じてない』

目に光が入ってない。

羽生「佳菜の家は良いか？」

佳菜「うーん、親がね…」

羽生「そか、俺のとこだと遠いからな」

『初対面に良いですよ、私は愛知から出たいだけです。家庭事情なんで他人を巻き込むには…』

助けたい

羽生「仙台に来るか？」

『は？』

羽生「どうする？」

『学校もあるし、お金はないし…』

羽生「学校なら転校させれば良いし、お金ならフィギュアで取ったお金がある」

『いや、悪いですよ。さすがに、私が金目当てで羽生選手達に近づいてるようなもんですよ』

羽生「なら、テレビで活躍して返すってのは？」

『え、無理ですよ、人前に出れませんし。取り柄なんてないし』

羽生「好きなことってある？」

『え、なんでですか？』

佳菜「ゆづ、彼女をテレビに出して人気者にさせる気でしょ？」

羽生「正解。で、ある？」

『絵と小説を書いたり音楽を聞くのが好き』

羽生「将来の夢は？」

『シンガーソングライター』

羽生「俺が鍛えさせてあげる」ﾆｺｯ

『え、で、でも…』

羽生「人気者になった時に返してくれれば良いよ」

『そ、そうじゃなくて、練習が…』

羽生「俺をなんだと思ってる？」

『怪我しすぎの絶対王者&私のファン』

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す