晩秋の夜と貴女と⓷ ページ9
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「綺麗な紅葉でしょう。貴女も堪能してみては如何です？」
「まぁ…綺麗といえば、綺麗ですけど…」
口を尖らせて言う彼女は何か言いたいようだったが、恐らく私が横抱きしていることが恥ずかしいことだろう。ならば聞く必要もない。
心地よい秋の夜道に、鐵腸さんの邪魔もなく2人きりで過ごせているのだ。
それに、段々と彼女の意識が紅葉景色に囚われているらしい。
私の行動に対する羞恥心故に上昇していた心拍数が落ち着いている。
きっとこの状況に悪い気はしていないのだろう。
「さっき、条野さんは綺麗な紅葉だと、いかにも見えているように言いましたよね」
ふと、彼女が私に問う。
恐らく私が盲目であるにも関わらず、先程紅葉が綺麗だと的を射るような視覚的な発言をしたからだろう。
それはそうと、私の視覚以外の五感がそう伝えてくれたのだ。
「えぇ、それが何か？」
「いや…その、やっぱり条野さんは凄いなって思ったのと…。今この景色を誰かと楽しむことができてよかったなぁ…なんて」
やっぱり素敵なことは誰かと共有することが一番嬉しいんです、とAさんはそう付け加えて微笑んだ。
そんな彼女に心臓が小さく跳ねてしまったのはここだけの話である。
そんな”誰か”が他の誰でもない、私でよかったと。
そう思ってくれればいいのに。などと期待してしまう単純で馬鹿馬鹿しい思考が、私の頭を蝕む。
「わっ…？！」
小さく跳ねた心臓から顔に熱が帯びるのを隠すように、彼女の後頭部を押さえて肩に彼女の顔が埋もれるようにする。
触れた彼女の髪から、同じシャンプーの匂いがした。
「じょ、条野さん…？」
「…私は貴女の浴衣姿が見られないのが残念です」
「そ、そうですか…」
堪らず弱ってしまった私の下手な誤魔化しが、頭の悪い彼女に簡単に受け入れられたおかげで、この場はなんとか切り返した。
旅館に戻ろうとすると、横抱きにした状態のまま部隊の面々と鉢合わせたくないと彼女は訴えたが無視をする。
恥ずかしがる彼女を横目にそのままで旅館内を巡っていると、卓球に白熱している彼らがいた。
私たちを見た鐵腸さんは面倒くさいことに、私に卓球で彼女をめぐる決闘を申し込んだ。
隊長も酔っぱらって盛り上がってしまい、副隊長もそれに乗じ、
決闘を断ることが一番面倒くさいことになるとみて仕方がなく受け入れる。
そして日付が変わるまで戦いは続くことになり、旅館の女将に騒音迷惑だと怒られたのだった。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
