喧騒のどさくさに⓶ ページ5
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「鐵腸さん…？」
不味い、はぐれた。
それか私が迷子になったか、鐵腸さんが迷子になったか。
どっちにしろ、このはぐれた状況はあまり良くない。
警備を担う者としては、相方と離れたところで任務を遂行できると思うし、寧ろそっちの方が効率的…と考えられるけど。
「お嬢ちゃん彼氏にフラれちゃった？
さっきから可愛い子がいるな〜て思っててさ！ねぇ〜俺らと遊ばない？」
やはり。先程から複数人の熱い視線に気づいていたのだ。
声をかけられることは大変光栄だけど、生憎そんな気分じゃないし今は勤務中である。
それにこうも男の人に囲まれて声を掛けられるのは苦手だ。
こういう状況になると、強く断ることができる勇気と放つ語彙が咄嗟に出てこない。
だから、鐵腸さんが近くにいて欲しかったのに。
「ありがたいお誘いだけど、私連れが」
「え〜だってさっきの男食うだけ食って歩いてただけじゃん。
嬢ちゃん、つまんなかったでしょ？」
執拗に迫る男性に思わず顰蹙して一歩下がった。
食うだけ食うというところは本当に頷くばかりの言葉であるけれど、警備という任務を担いながらこの人達の相手はしていられない。
「ささっ嬢ちゃん、俺らと一緒に」
「軽犯罪法第一条28項目」
「えっ」
突如降ってくる聞き覚えのある声に、私はその声の主の方を見上げた。
「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」
「なんだこいつ」
「鐵腸さんっ！」
男性の後ろに音もなく現れたのは、颯爽と歩いていた鐵腸さんだった。
変わらない表情のまま淡々と刑法を述べる浴衣姿の長身の男性は、あまりにも奇天烈でちょっと面白い。
男たちの「なんだこいつ」に相当するものだった。
「これ以上彼女の進路を妨げるのならば、厳重注意では済まされない。道を開けてくれないか」
「ケッ、変な奴…！嬢ちゃんまたな〜」
案外すんなりと去ってくれた男の人は手のひらを軽く振って去ってしまった。
自然と私も手を振っていると、突然その手が掴まれて強く引かれる。
そのまま身体を持っていかれると、鐵腸さんの立派な胸板に顔を埋める形になり、鍛えられた逞しい腕が腰と背に回される。
「てっ、鐵腸さん…？！」
「お前が…お前が誰かに取られるのは嫌だ」
抱かれた腕の力がほんの少し強くなるごとに、心臓の脈打つ速度が上がるのを感じた。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
