貴方のことを⓶ ページ23
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「あの！ここ、階段あります！」
「待って！段差あるから、気をつけてください！」
「えっと…会議室はここを右に行って、あれ？ここってどこだっけ？」
「条野さん、大丈夫です！任せてください！」
「……。」
彼女は急に騒々しくなった。そして慌ただしい。
私が親切を受けたところで、きっと同じ状況になっているのだろう。
きっと手を取らなかったからその分しっかり見てやらねば、とでも思ったのだろうか。
それでもあまりに頼りない。そして彼女は私を巻き込んで迷子になっていた。
確かに初めての場所であったのは私でも同じだ。
だが盲目の私であっても、他の五感を駆使して容易に目的地まで辿り着ける。寧ろ彼女より速いだろう。
腹立たしい気持ちが越えて呆れていた。
「ちょ、ちょっとそこの警備員さんに聞いてきますね！…あっ」
Aさんは慌ててその警備員のところまで駆けていこうとすると、何もないところで自身の足と足を引っ掛けてつまづく。
私がそれに気づいたのはきっと彼女が自覚するよりも速かった。
「…危ないですから、走らないでください。」
「は、はい。すみません…」
私は彼女の身体が前方へ倒れる寸前にその手を掴んで引いた。
その手がやたら熱いと思ったら、Aさんの心拍と体温がみるみるうちに上昇していた。
表情筋が微かに震えていたようで、顔を真っ赤にしてぎこちない嘘笑いを浮かべながら涙ぐんでいるのが想像できる。
きっと親切が空回りして失態した羞恥心からだろう。
正直、馬鹿らしくて面白いと思った。
彼女に冷たくしたこともあってその場では笑えなかったが、今では可愛い笑い話になる。
そして私は何を思ったのか、少し可哀想に思えてきたのだ。
親切を払われた上に空回りして失態した彼女の気持ちを考えると、無様に思えてならない。
「…手、繋いでもらえますか？」
「…！」
ここは一つ、彼女の調子を戻す為に頼らせてあげようと思った。
ちょっと考えたらしい。失態を考慮した上で、私なんかに務まるだろうか…などと思ったのだろうか。
それも一瞬、彼女は気を取り直して元気よくうなづいた。
「もちろんです！私に任せてください！」
2度目の”任せてください”も虚しく、結局警備員に聞いても遠回りになって漸く目的の会議室までたどり着いたのであった。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
