8、貴女のことを*条野採菊 ページ22
条野side
これは貴女が《猟犬》に入隊して間もない頃の話。
私だけの、秘密の話なのです______。
△▼△
その日は他県警とのテロ対策会議において、現場を多く経験している軍人の一人として助言を呈する為に、私だけが出張する筈だった。
けれど隊長のご厚意なのか気まぐれなのか、新人の経験を積ませる為に、彼女を同行させろという命を下された。
正直気が向かなかった。
あの時の私は、Aさんのことをあまりよく思っていなかったのだ。
軍人としての経験が無いまま、異能だけを買われて入隊させられた彼女。然しその肝心な異能も大して使いこなすことができておらず、ましてや体術すらもまともにできていない。
彼女が巻き込まれた事件のどさくさに隊長によって生体手術を施されたことから、もう引き戻れないことはわかっているが流石に無理がある。
それでも私たちに着いていく為に必死に特訓しているそうなのだが、やはり到底及びそうに無いのだ。
そんなことでは戦いの邪魔になる、そう邪険に思っていた。
他県警の建物まで到着した時、少し震える声で彼女は私の名を呼んだ。
「じょ、条野さん」
「…何ですか？」
手を差し伸べていたようだった。此方まで空気の振動が読み取れる。
「その、慣れてない場所で行動するのは大変だと…思ったので……」
恐らく、私が盲目であることを心配していたのだろう。
それだったらもっと早く言えばいいのではないか。
此処に来るまで何の支障もなく来たのに、今更手を繋いで歩いてやるとは如何なものか。
それにそんなことをされなくても、常人と変わらず行動ができる。
私には彼女の手が必要なかった。寧ろ、見下されるような気分になって少々腹立しく思えてならなかった。
「結構です」
そう一言吐き捨てるかのように言うと、早足で門をくぐった。
その時、彼女の心臓が大きく波打った。
親切が無下に払われて軽くショックを受けたのだろうか。
だから何だというのだ。彼女に同情される筋合いはない。
置いていく勢いで歩いていると、彼女も私に合わせて駆け足で追って行った。
それすらも鬱陶しい。私は小さな怒りを抱えながら、建物内部へ入っていった。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
