新人猟犬、修行中！【条野採菊】【末広鐵腸】

30、突然の ページ31

Aside





「俺はお前に、愛情というものを抱いているのかもしれない。」



「へっ？いや、あぁっ、あぃ？えっっっ、あ、いっ」



「愛情だ。」






それは突然の告白だった。


最近末広さんを見るとあの時の恥ずかしい自分を思い出してつい目を逸らし、距離を取ってしまうのだった。



だから筋トレを終わらせた後、すぐに事務室に行ってしまおうと、末広さんには申し訳なくそうしていた。



だから急に腕を掴まれた時、そんな無礼に怒ってしまったのかとヒヤッとしてついに殺されると思った。





しかし____________________________________






「俺はAのことが好きだ」



「いや、えっ？…ちょっと、そそそそれはどういう」







突然の末広さんの爆弾発言に口がうまく回らなくなる。





「確かめてもいいか？」


「えっ？な、なにをっ……てあぁぁぁぁぁぁああああああああああああちょちょちょちょタンマ！！！！」


「？」



何を確かめようとしたのか分からないが、急に互いの鼻がくっつきそうになるくらいまでに距離を取られたので両手で末広さんの顔を塞ぐ。





「ななななななんでそんなに顔近いんですか？！」


「接吻しようと」


「なんで？！？！」


「気持ち良ければ愛情を抱いていることらしい」


「わかりませんわかりませんよくわかりません！！」


「なら確かめるまでだ」


「いやいやいやいやわかんないって！！て力つよ？！」




末広さんの両手が私の両手をいとも簡単にどかしてしまい、綺麗な顔がまた近づいてくる。







どうしようこのまま私______________________









その瞬間、誰かに肩を強く掴まれて末広さんから引き剥がされた。







「………なんだ、条野。」



「なんだはこちらの台詞です。鐡腸さん。
騒がしいと思えば、いったい何の真似ですか。」



「愛情を確かめようと。」



「意味がわかりません。」






2人が今にも人を殺しそうな剣幕で言葉を交わす。


その間で涙目になる私。





これは……これはいったいどういう状況なの…？！

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