良薬災を起すこと勿れ�� ページ40
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「この淫乱！！」
そう条野さんは言って彼女の頸を手刀打ちした。
そのまま俺の上に倒れた彼女は、鐵腸さんによって軽々と持ち上げられる。
この二人の行動はあまりにも迅速で、無駄がなかった。
一瞬のうちに事が済まされたのだ。
「全くもう…、最初からこうしておくべきでした」
「ご苦労だった、立原」
「戻ってきたんですね…」
やっと終わった。
鉛のように重くなった体を起き上がらせ、ため息を吐いた。
安堵のため息、その筈だ。なのに彼女を止めた二人に対して、もやもやとした気持ちになる。何となく目を合わせたくなくて、思わず二人から目を逸らした。
「先程Aの胸を揉んでいなかったか？」
「えッ？！いや、そんなこと…！」
「戻って来なくて良かったのに、そう思っています？」
「はァ？！いや、いやいや！！
俺じゃAさんをどうにかさせようにもわからなかったから速く戻って欲しかったっていうか…！！」
条野さんは見えない瞳で俺のことを捕らえ、睨みつけた。
条野さんの前で言い訳は通らない。だが俺は必死に言い訳をした。
そうでもしないと俺が俺でいられなくなってしまう、そんな気がした。夢見心地だったあの時の一度彼女に向けた俺自身の気持ちは、少なくとも、薬を盛られた彼女だけにしか喜べないものだ。
あれは、本当のAさんではない_____。
この気持ちは実に不純で、不埒で、実に助平だ。そう必死に自分に訴える。
だが訴えるたびに、あの乳房の柔らかくて生温かい感触がじんわりと頭を蝕んだ。そして先程の出来事が現実であったことを自覚すると、かあっと顔に熱が集まった。
「俺は最低な男だ……」
「立原が頭を抱えてしまったが、」
「一生そうして蹲っていればいいんです」
「何故そこまで当たる。
元はと言えば条野のせいだ。お前がAに薬を盛らなければこんな事態にはならなかったし、立原が混乱する羽目にもならなかった。大体その薬は何処で…______」
「五月蝿いですね…！
もう済んだ事です。いつまでも言わないでください」
「自分の計画が失敗して八つ当たりしていたのか」
「このッ…！何笑ってるんですか！！
そんなことより、早く彼女をこちらに渡しなさい」
「断る」
二人の彼女をめぐる熾烈な言い争いが繰り広げられる中、俺は脳裏に焼きついたあの景色と、あの感触を抹消することに専念していた。
だが、そう思えば思うほど、記憶に深く刻まれる。
俺はこの出来事を忘れる事は生涯ないのだろう。
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ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» ありがとうございます…！ぜひ仲良くしてください^ ^ (6月3日 15時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - Twitterありがとうございます！！絵も可愛いですー！！ (6月3日 12時) (レス) id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» はじめまして、コメントありがとうございます^ ^お褒めいただいて大変嬉しいです！Twitterの方も先程承認しました。何もかも低倍速ですが、どうぞよろしくお願いします…！ (6月3日 11時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - ラザニア様の小説面白くて時間を忘れて読み進めてしまいました！応援してますー！Twitterの方あと、フォローさせて頂きました！ (6月3日 11時) (レス) @page1 id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - リアリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます。本来攻めである側や、男側が何らかの拍子で弱っちゃうシチュがたまらんく性癖で…！いくつか書いてるのですが、そのようなご感想いただけてよかったです！ありがとうございます！ (2023年3月27日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年12月14日 10時
