良薬災を起すこと勿れ�� ページ37
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「立原の言う通りだ。こうなってしまった以上、落ち着いて対処するしかない。
…とはいえ、Aに薬を盛るとは大いに関心できないが」
「今更いいでしょう、そんなこと…。
兎に角、一刻も早く解薬の処置が必要です」
「何か方法があるんですか？」
条野さんの言葉に一縷の希望を見出し、身を乗り出して問う。
しかし数秒待てども条野さんの顔は曇ったままであるどころか、次第に俺から顔を背けてしまった。
「…ないですけど」
「え？」
「ないですよ。一時的に効果を発揮する薬ですし、本来成功していたら解薬する必要はなかったので」
「なら、如何にも方法があるみたいな言い方をするな」
「ちょっと考える時間が欲しかっただけですよ、いちいち釘を刺すな…！」
そうだ。確かに条野さんの言う通りだ。
薬を盛ることに成功し、彼女に愛されるようになれば解薬の必要はない。だから解薬の方法なんてありはしないのだ。
とはいえ、その考えには末恐ろしさを感じざるを得ない。
彼女以外の全員が事の重大性に溜息を吐いた。
「そういえば、立原君は私に用があったみたいですが」
「あぁ…。隊長からの言伝で、鐵腸さんと一緒に次の任務概要を確認しに来いとのことで…」
「は？今ですか？」
「そうだ。この場を離れるのは惜しいが、任務の放棄は許されない。俺と共に来い」
「タイミングが悪すぎるにも程ってものが…！」
度重なる不安に条野さんは頭を抱えてしまった。
鐵腸さんはそんな条野さんに同情せず、行くぞ。と腕を引っ張り上げた。
そして去り際に条野さんが鐵腸さんの手を煩わしく振り解き、顰蹙した様子で俺に叱責した。
「いいですか、立原君。Aさんに手を出そうというものなら容赦しませんからね」
「俺からもだ。二人きりだからといってAの調子に合わせることのないように」
「は、はい…」
条野さんと鐵腸さんが少し離れた隙に、彼女は嬉しそうに微笑んで抱いていた俺の腕に優しく力を込めた。
「よくわからないけど二人きりになっちゃいますね、先輩♡」
『………。』
彼女の突拍子な言葉に二人は、殺意を含んだ剣幕から顔に暗い影がかかり、額に青筋を這わせる。睨む矛先は間違いなく俺だった。
どうして俺を睨む。いや、気持ちはわからなくはないけど…。
何か言ってみてもあの殺意は消えないだろう。寧ろ増すばかりかもしれない。
「あ、あはは…。いってらっしゃい…」
乾いた嘘笑いが一室に虚しく響いた。
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ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» ありがとうございます…！ぜひ仲良くしてください^ ^ (6月3日 15時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - Twitterありがとうございます！！絵も可愛いですー！！ (6月3日 12時) (レス) id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» はじめまして、コメントありがとうございます^ ^お褒めいただいて大変嬉しいです！Twitterの方も先程承認しました。何もかも低倍速ですが、どうぞよろしくお願いします…！ (6月3日 11時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - ラザニア様の小説面白くて時間を忘れて読み進めてしまいました！応援してますー！Twitterの方あと、フォローさせて頂きました！ (6月3日 11時) (レス) @page1 id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - リアリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます。本来攻めである側や、男側が何らかの拍子で弱っちゃうシチュがたまらんく性癖で…！いくつか書いてるのですが、そのようなご感想いただけてよかったです！ありがとうございます！ (2023年3月27日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年12月14日 10時
