繋いだ温もりを離さずに�� ページ32
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このような経緯があって現在に至る。
そして今朝、条野さんは律儀に私の家まで迎えに来てくれたのだ。
とはいえ、明確に日にちや予定も決まっていなかったので、このように突然訪問(不法侵入)されるとは思っていなかった。
しかし今ここでデートの約束を少しでも否定しようものなら、あの時よりも逆鱗に触れてしまうかもしれない。そうなったら私はどうされてしまうか、考えたくもないことだ。
「ごめんなさい、待たせちゃって」
慌てて外出の準備をしたが、それなりに待たせてしまった条野さんに声を掛けると、彼は全く怒っていない様子で優しく微笑んみ、いいえ。と返す。
「私の為にこれだけの準備をしてくれるとは、実に光栄なことです。とても可愛いですよ、Aさん」
「そ、そうですか…？ありがとうございます…」
その言葉についときめいてしまいそうになった。
盲目の条野さんにとっては私の服装やいつもと違う髪型など見えていない筈。
気を遣っているのかと思ったが、条野さんは安易にお世辞は言わないのではないか。真意はわからないが、女性として格好を褒められるということは嬉しくて、どぎまぎしてしまう。
「このような特別なAさんも、今日は私の物なんですね」
「えっ」
「行きましょうか。貴女が言い出したことです、場所はお任せしますよ」
「…は、はい」
にこやかな表情のまま、さりげなく怖い発言をされた。昨日のこともあってか尚更この言葉が怖く思えるが、多分平常運転なのだろう。ときめきかけた乙女心は、いつのまにか若干の恐怖へと変わった。
違う意味でも心臓が高鳴りながら私たちは外に出るのだった。
△▼△
これと言って大事が起きるデートではなかった。
移動中、恋人繋ぎを強要されること以外、ただ楽しくお買い物とお茶をしたくらいである。
寧ろ、今日の条野さんは何もしてこなくて怖かった。
否、してこない分にはいいのだが、日頃の私に対する条野さんの行いを見ていると親切すぎたのである。デートだから男の人という建前としてそうしているのではなく、私の赴くことに忠実すぎた、と言える。
とはいえ条野さんは何かを企んでいる様子もなく、完全に日が暮れてしまった。
並ぶ街灯がぼんやりと夜道を照らし、手を繋いだ二人の影を作る。
寒さでできた白い呼吸をぼんやりと見つめ、そろそろ帰る頃だと考え始めた時、条野さんは優しく私に問いかけた。
「最後に行きたいところがあるのですが、お時間宜しいですか？」
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ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» ありがとうございます…！ぜひ仲良くしてください^ ^ (6月3日 15時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - Twitterありがとうございます！！絵も可愛いですー！！ (6月3日 12時) (レス) id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» はじめまして、コメントありがとうございます^ ^お褒めいただいて大変嬉しいです！Twitterの方も先程承認しました。何もかも低倍速ですが、どうぞよろしくお願いします…！ (6月3日 11時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - ラザニア様の小説面白くて時間を忘れて読み進めてしまいました！応援してますー！Twitterの方あと、フォローさせて頂きました！ (6月3日 11時) (レス) @page1 id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - リアリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます。本来攻めである側や、男側が何らかの拍子で弱っちゃうシチュがたまらんく性癖で…！いくつか書いてるのですが、そのようなご感想いただけてよかったです！ありがとうございます！ (2023年3月27日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年12月14日 10時
