27、繋いだ温もりを離さずに*条野採菊 ページ28
Aside
最近は寒くてたまらない。
仕事の日の朝なんて特に地獄だ。暖房が部屋を暖めるにしても時間がかかる。その間私は耐え難く布団の中で丸くなり、暫くして渋々布団から出て出勤の準備をする。
だが非番の日はそんな労苦に頭を悩ますことはない。
好きなだけ布団の中で暖まることができる。昼頃になれば暖房も十分に機能した後なので、快適に布団から出て活動することができるのだ。贅沢な休日とはこの事である。
そして本日は非番の日。
今日も贅沢な休日を満喫しようと、一度目が覚めた朝6時から二度寝をした。
まだ全然眠れる、なんて幸せな日だろう。そう思いながら___。
△▼△
「___…て、…起きてください」
突如、私の眠りを妨げる声が頭上から降り、声の主であろう人物が私の肩を乱暴に揺らす。
「んん…、いやぁ…！」
「嫌じゃない…！」
声の主は次に布団を取ろうとした。私はそれに朧げな意識のまま、布団を掴んで必死に抵抗する。
大体、何故一人暮らしの私の部屋に人がいる？
覚醒しきれていない軟弱な頭でそんな疑問が浮上する筈もなく、気づくのは布団が剥ぎ取られた時だった。
「いやぁあ…さむいぃ…」
「いい加減起きなさい、何時だと思ってるんです」
「何時でもいいじゃん…______。…えっ」
寒さに身を縮こまらせながら、漸く違和感に気づいて声の主を見る。
そこには軍服の姿とはかけ離れた、カジュアルな冬向けの装いを魅せる条野さんがいたのだ。
驚きのあまり硬直して見つめてしまうと、条野さんは少し呆れたように微笑んだ。
「やっと此方を見てくれましたね。お早う御座います、Aさん」
「おっ、おはようございま……え？いや、な、なんで…？」
なんでここに条野さんがいるの？そう声には出せない程動揺していた。
最近の目覚めはどうしてこんなハプニングばかりなのか、何度経験しても、起きてから一番に異性が目の前にいると困惑せざるを得ない。
「慌てなくてもいいですけど、さっさと支度してください。
…あぁ、“此処”でも構いませんが」
「いや待って、待ってください…。何の話ですか…？」
淡々と謎の話をする条野さんについていけず恐る恐る問いてみる。すると条野さんは案の定不機嫌そうに顔をむっとさせて、ベッドの上にいる私に顔を近づけた。
「デート、するんでしょう？」
「…で、デート…？」
「そう、デート。忘れたとは言わせませんよ」
「…あ」
そして私は事の発端を思い出すのである。
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ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» ありがとうございます…！ぜひ仲良くしてください^ ^ (6月3日 15時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - Twitterありがとうございます！！絵も可愛いですー！！ (6月3日 12時) (レス) id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - 紙さん» はじめまして、コメントありがとうございます^ ^お褒めいただいて大変嬉しいです！Twitterの方も先程承認しました。何もかも低倍速ですが、どうぞよろしくお願いします…！ (6月3日 11時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
紙(プロフ) - ラザニア様の小説面白くて時間を忘れて読み進めてしまいました！応援してますー！Twitterの方あと、フォローさせて頂きました！ (6月3日 11時) (レス) @page1 id: 60978e9706 (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - リアリスさん» 初めまして、コメントありがとうございます。本来攻めである側や、男側が何らかの拍子で弱っちゃうシチュがたまらんく性癖で…！いくつか書いてるのですが、そのようなご感想いただけてよかったです！ありがとうございます！ (2023年3月27日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年12月14日 10時
