僕らのお姫様18

5 ページ42

黄side






世の中クズばっかやと思う



所詮人なんて金




中身なんて見やしない




(…気持ち悪)





いつも媚びてくる女共から匂うどぎつい香水の匂いには吐きそうになる




突き放したくもなるけどそしたらどうせ泣く





俺は面倒事は嫌いなんや






生徒会の仕事を終えて玄関先まで出ると降り注ぐ大雨




「ついとらんわ、…」





じいやに迎えに来て貰ってもええんやけどそれもめんどくさい




俺は傘を開き学校を後にした






いつもの帰り道を辿っていると遠くに止まる自転車としゃがみこんでいる人が見えた




「…桐山？」





貧乏だからなのかカッパも着ずびしょ濡れ



…あいつはアホなんか…？





橙「…大丈夫やからな…、」




桐山が抱き抱えていたのはぐったりしている子犬





そのまま籠に乗せて走り去って行く桐山の背中




なぜかそこから動く事が出来なかった

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す