【QK】さながら茨を巻くように。【短編集】

▽指の約束＿tmr＿ ページ8

長くしか書けない病、じわじわ来てます。

※既婚設定です


＊


遠い昔、私はある男の子に恋をした。


「ただしくんがすき！」


そう彼に伝えると、彼はにこやかに答えた。


「おれもすき！」


幸せで幸せで。

私達は一つの約束をした。


「おとなになったらけっこんしようね！」


そう言って小指を絡めて、永遠の愛を誓ったのだ。


＊


そんな私達は今、有言実行して2人で暮らしている。

穏やかで安らかな時間だ。


「結局指輪ネックレスにしたんだ」

「うん。私指太くなるから鬱血しちゃうし」

「確かに」

「おい」


彼は働き、私も働き。

お互いの時間をゆっくり取れるし、この人と結婚して良かったと心の底から思う。


「…あ、今度会社で飲み会やるみたいなんだけど、新歓だから行ってもいい？」

「いいよ。でも悪い男に引っかかんないでね」

「もう引っかかってるから遅いよ」

「なんだってそんなこと言うんだ…」

「あはは、冗談だって」


私には彼しか見えてないから、彼以外とつるむだなんてありえない。

新人さんはそれぞれお仕事もできるし楽しいし。

…ただ一つ気がかりなのは、仕事をすぐ放棄する同期の子。

すぐに猫撫で声を使う面倒な人だ。

しかも同じ部署。

やってられん。

まあとは言ってもお金貰ってるわけだし辞める気は全くないけど。


＊

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