【QK】けうらなる七つの宝達【コラボ】 (ページ5)

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瑪瑙の僥倖＿sgi ページ5

それは、蝉の声がすごく五月蝿い夏の日で。
太陽の光がすごく眩しい青空が広がる日で。

きっと何処かの家では風鈴が鳴って、縁側で西瓜を頬張っているような、そういう日で。
そんな日に、俺は川に来ていたんだ。

岸には沢山の石ころが転がっていた。広い川の向こうは木々が茂っていて、その上一面から白い入道雲が顔を出していて。
俺とAは浅瀬に足を突っ込んで水面下を覗いていた。

｢すげー！めっちゃきれー！｣

澄んだ水の下に輝くのは、周りの石ころとは違う、青い石だった。Aは手を水の中に入れてそれを掴む。水面に揺れる(名前 )の腕がふにゃふにゃに見えて面白かった。
Aに掴まれて初めて空気に触れたその石は、纏った水で太陽の光をきらりと反射させて輝いた。

｢これ、瑪瑙やな｣
｢めのう？｣
｢そ！これは青やけど、他にも赤とか緑とか色んな色あるんよ｣
｢宝石？｣
｢んー…石やな｣
｢宝石じゃないの？｣
｢宝石も石やて｣

ちょっと笑われた。だって俺まだ小さいし、んな事よくわかんねぇもん。そんなことを呟くと｢同い年でしょ｣って余計笑われた。

｢よし、折角やしこれ駿ちゃんにあげる｣
｢えっ、いいの！俺もAにあげたい！｣
｢わ、嬉しい！そしたらお揃いやね！｣

そこから少し歩いて、別のところを探してみて。そして見つけたのは赤色の縞が入った瑪瑙。それを渡すと、Aは本当に嬉しそうに笑った。俺も嬉しくなって笑った。

2人の手には、少し不格好な瑪瑙。今まではただの石ころと思ってたのに、この日から俺の宝物になった。2人とも、お揃いで。