3 この世とお別れ ページ3
僕、もう生きるの嫌だな
弟が居るからまだ生きようって思えるけど、もうあの人から暴力を受けるのは嫌だよ。辛いよ
もう、死んでもいいよね
僕はどうせ要らない子
必要とされない、要らない子
こんな広い世界でちっぽけな僕が死んでも、あの人も弟たちもきっと何も思わないよ
もう一人の僕がそんなことを囁いた
そうだね。きっと僕は生まれてきちゃいけなかったんだ
そんな思いを胸に僕は屋上から飛び降りた
内臓が浮遊する感覚。重力で感じる強い風
やっぱり、死ぬのってちょっと怖いな
でも、楽になれるなら…もうなんだっていいや
さよなら僕が生まれた世界
ごめんね、母さん。お腹を痛めて僕に生を宿してくれたのに
ごめんね、いち兄。僕もそろそろそっちに行くから。母さんと待っててね
ごめんね、弟たち。お前たちのおかげで僕は少しでも生きようと思えた。世界で一番愛しているよ
ごめんね、希世蜜。君は僕のことを、僕の存在を認めてくれた。嬉しかったよ。ごめん、僕は先に逝く
ありがとう
地面に当たった時の痛みを最後に僕はこの世を去った
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こしあんのお餅 | 作成日時:2019年12月14日 18時