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じゅうさん ページ15

其れは小さな泡を大量に発生させ、次第にバスタブ全体を覆っていく。其の泡の大きさも徐々に大きくなっていき、最終的には立派な泡風呂となった。



『す、凄い…あわあわ』



「ふふ、初夜を迎えた後にサプライズを、と思ってね。如何だい、素敵だろう」



漫画でしかお目にかかれないと思っていた卦度、こんな時に出逢えるなんて。単純にも、私の胸は踊って仕舞う。



暫く私は、両手で泡を掬い其れが指の隙間から抜けていく様を愉し気に見詰めていた。



太宰さんはと云うと、自分の服が濡れるのも構わずに、私の姿を飽きずに見ていた。



『…はい、とても素敵です。でも太宰さん、服が濡れて仕舞っていますよ』



「善いよ此の位、如何せ私も直ぐ湯に浸かるからねえ。久々に君の笑顔が見れて、満足」



『………へ、』



「さ、躰を洗って上げよう。右腕出して」



私も、貴方の優し気な笑みは久々に見た気がします。そんな言葉を飲み込み乍右腕を差し出す。



腕捲りした太宰さんは、私の手を丁寧に洗い始めた。左腕も同様。感触がもどかしい。ぴくり、と私の躰は反応する。



『ん、……ッぅ、…』



「…何、誘ってるの?」



『違、ッはぁ……』



「随分と肉欲深いねえ、此処で付き合って上げるのも悪くない卦度」



綺麗で大きな手が両腕を洗い終え、胸へと伸ばされる。



ゆっくりとあてがわれた後に執拗い程に揉みしだかれ蕾を摘まれ、其の様は昨晩を思い起こさせた。



忘れていた如何しようもない「彼に対する畏怖」が、どんどんと脳を侵食していく感覚。



『……ッ、太宰さ、御免なさ…』



「…あれ、虐め過ぎたかな。まァ善いや、ほら次はお腹ね」



怯える私をまるで愉しむ様に見遣り乍手を伸ばしていく太宰さんは、矢張り怖かった。



此の儘じゃ駄目になる、逃げなきゃ。



そんな思いが強くなった、其の時。



「………あ、やば」



『…?』



「私のシャンプー切れてたんだった…如何しよう、暫く泡遊びして待ってて呉れる?」



『………!!は、はい』



先程機会は数日後、数週間後と云っていた卦度撤回しよう。今だ。此れ以上の機会はきっと無い。



今こそ、諸々を探らなければ。

じゅうよん、→←じゅうに、



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伊波トウナ(プロフ) - えっおわりです…?! (2023年2月16日 11時) (レス) @page17 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
湯川 - 終わっちゃったよ…あと26回くらい見れる笑 (2021年11月27日 7時) (レス) @page17 id: b53f4168a8 (このIDを非表示/違反報告)
天ぷら - 終わりなんですかぁぁぁぁぁぁあ (2021年9月12日 10時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 素晴らしいです。更新待ってます。 (2018年11月25日 1時) (レス) id: a0d4f48c92 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 太宰さんの一方的で押し付けるような愛の形が好きすぎて…!支配的な愛情表現がたまりません!応援してます! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千紘 | 作成日時:2018年8月9日 16時

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