神賀桜羅英梨花の異常な日常

17話 ページ29

意外と簡単だったな、と思った。
NO.5のロックラリーとNO.6のサエラオは、手際よく隙を突いて小娘を捕えてくれた。
SDCのリーダーとして、ロドルは少しホッとしていた。サルトラとサルラの２人の情報により、八戸沢高校の近くで張ることにさせたのが見事に的中した。
あの２人は捕縛専門だから失敗するリスクも低かった。この２人の合流を待つという判断はやはり正解だったと言える。
隣の部屋ではレイが鎖で繋がれていた。両手は頭の上で鎖で縛られて固定されており、両足も鎖で繋がれて固定されている。
まだ意識がないようだ。
「ちょっとやりすぎたんじゃないか？」
サエラオに聞く。
「…なかなか気を失わなかったので。」
彼女は平然と答えているがロドルはあまり信じていない。彼女にサディスティックな所があるのを知っているからだ。どれくらいかって言うと……ゲダドくらい。
案の定、ロックラリーが溜息を吐きながら言う。
「あのまま放っといたら勝手に気絶したでしょ…それをあそこまで徹底的に…。」
やっぱりか……。彼もサエラオと組むのも大変だろう。
ゲダドが苛つきながら声を出す。
「…いつになったら始められるんだ！！もう準備はできてるんだぞ！！」
準備…いろいろな物が揃ったということか。皇太子の居場所を吐かせる用意は万端のようだ。彼はその手の仕事のプロだし任せてもいいだろう。
「あ…起きた。」
サルトラがゲダドに言う。
ゲダドは今までで１番楽しそうな笑みを浮かべてこう言った。
「お目覚めか？皇女様…？」

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