【WT】もう1人のA級ソロ隊員の噺 (ページ35)

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3ー6 side三雲ページ35

三雲が木虎にマウントを取られた少し後に、皇は宇佐美と共に戻ってきた

皇は訓練室内に、宇佐美はデスクに移動すると、いよいよその時を迎えようとしていた

皇「待たせてごめんね。じゃあ始めよっか」

木虎「はいっ、お願いします！」

木虎は自分と話す時とは打って変わり、いかにも弟子らしく皇に元気よく挨拶をした

宇佐美「A〜、仮想戦闘モードでいいよね？」

皇「もちろん、お願い」

子気味良い会話からはこの二人の信頼の深さが感じ取れる

二日ほど前から彼女らが何時間も訓練室とオペレータールームに籠っていることからも三雲はそう判断できた

モニターから001号室の様子を眺める

木虎は既にトリガーを起動しており、改良型である両刃のスコーピオンを握りしめていた

対する皇は制服のまま凛然と立っている

そういえば彼女の換装体姿はまだ見たことがない

もちろんトリガーセットもわからない

初めて会った時にはオールラウンダーと言っていたが.....

三雲の視線は皇に注がれる

その視線に気付いたかのように、モニター内の皇は右手を前に突き出した

皇「———トリガー起動(オン)」

そして現れる換装体

藤色のジャージは胸元までチャックが開いており、黒いインナーが見える

ボトムスはごく普通のデニムショートパンツで、黒のロングブーツが太腿までピッタリとフィットしている

そしてセミロングの髪の毛は頭の上で結い上げられていた

迅のように隊服にしてはかなり私服に近い格好である

しかし、服装の変化より三雲は皇がどんな武器を使うのかが知りたかった

皇が武器を出さないので少々焦ったくかんじだしたところ、左から何がを感じた

烏丸「修、おまえランク戦の作戦を考えなくていいのか？」

三雲「烏丸先輩！」

これから始まる模擬戦を完全に観る気でいた三雲は、師匠の一言によって本来のやるべき事を思い出した

三雲「すみません、今から考えます」

隊長である自分は今は何よりも作戦を考えることが大事だ

それなのに、それを忘れてしまうとは.....三雲は自分を恥じた

だがこの二人の模擬戦は見たい

後ろ髪を引かれる思いでこの場を後にする

扉に手をかけたその時

烏丸「修.....この二人の訓練はそう簡単には終わらない。だから、しっかり作戦を練ったらこっちに戻ってこい、いいな？」

そんなに態度に現れていたのだろうか

頭を下げて、今度こそ部屋を後にする

B級上位チームと渡り合える策を考えるために