【WT】もう1人のA級ソロ隊員の噺 (ページ30)

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高速の斬撃が飛んでくる

自動車ぐらいはある昆虫の様な『イキモノ』

彼らは群れを成して、とんでもない速さで襲いかかってくる

その光景はこの世の終わりと例えても何らおかしくないのだろう

ただ、彼らは知らない

まず自分達がコンピューター上で再現されたものであることを

そして息つく暇もなく自分達が死体の山になっていくことを.....

足から生やしたブレードを目に差し込むと、最後の一体は容易く崩れ落ちた

宇佐美『おつかれ〜、今日も大量だね』

それと同時にオペレータールームから栞の声が届いた

「ありがとう、こんなに長い時間付き合ってくれて」

宇佐美『いやいや、これくらい大したことないよ。Aのお望み通り全力でサポートさせてもらうよ！』

昨夜、一年間のハンデを取り戻したいからとりあえず三日間特訓に付き合ってほしいと頼むと栞は快く返事をしてくれた

宇佐美『で、どうだった？感想とかある？』

栞は嬉々とした声でそう尋ねてくる

初日は無難にモールモッドにしようと伝えたのだが、いざ訓練が始まると目の前に現れたのは何とビックリ「やしゃまるシリーズ」(全四種類)の群れであった

いや.....頼んでないことするな.....

感想というのはこいつらと相手をしてどうだったかということだろう

「金色は硬くて斬りにくくて黒は攻撃が早いから普通のモールモッドに慣れた人にならお勧めできるかな。B級下位の隊員なら倒せないかも。茶色とピンクはいつものと変わらない感じがした。まあ...一味違うのを相手にしたい時は...結構いいと思う」

宇佐美『うんうん、的確なコメントと嬉しい感想ありがとう！今後もプログラムに邁進するよ！』

「うん頑張ってね。でも予告なしに改造トリオン兵と相手させるのはやめてね」

宇佐美『とりあえず休憩しよっか』

「えっ、何で無視した。なんか言ってｙ」

プツリとオペレータールームと訓練室の通信が切られた