悪女をいい子に戻す御話【鬼滅の刃】【男主】

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ザシュッ


何かが切られた音がした。


甘「……ぇ…？」




鬼は灰になって消えていく。


鬼を斬った者を見つめる。




甘「…おか…あ、さ……」


母「何よ、気持ち悪い顔ね」




なんで…お母さんが生きてるの……？




両親がいた方向を向くと、そこには父しかいなかった。



母「私ね、鬼殺隊に入ってたの。それに位もいい方でね、あんな鬼の攻撃は蚊に刺されたようなものよ」


母は煙草を吸い始める。



すると急に袋を投げてきた。



母「それ、持ってなさい。藤の花のお香が入ってるから。あと、出ていきなさい。ここから」




そう言って母は私を睨む。


母のその目つきは今でもトラウマだ。


その圧に耐えられず、私は家を出ていった。









「ごめんね…」


最後の母の言葉を聞かずに。









私は鬼殺隊に入りたいが為に、香の呼吸の育手の元で修行をしている。






(鬼殺隊に入れば、少しは愛されるかな。)



親の愛情をまともに受けなかった私は、そんなことを考えながら日々、修行に取り組んでいた。







数ヶ月後



最終選別を見事に突破した私は疲れ果てて、帰り道の道端に倒れ込んでしまう。



甘「ﾊｧ……ﾊｧ…」





ちょっと頑張りすぎたかな…

死んじゃうのかな。


来世は、愛されるといいな。




そっと瞼を閉じると、誰かに抱き抱えられているような、浮遊感を感じた。





その人の手は、とても暖かかった。

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