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目を少し開ける。

容赦なく私を照らす光。
それが日光だと気づくのには、あまり時間がかからなかった。

冷たい床。
そこに1枚だけ敷かれた布。
ここが私の寝る場所。

隣にはお兄ちゃんが同じような布を1枚敷いて寝ている。

日光の光と小さな電気スタンドがこの部屋を照らす光。

ここが私達の部屋。

父さんの部屋は綺麗で、ベッドもあって。
暖かくて良い所。


こんな部屋、今すぐにでも出ていってやりたい。
でも、出ていっても行く宛なんて無い。
玄関の扉には鍵がかかっていて、開かない。
もし出ていったとしても、私達を引き取ってくれる人もいない。

このままこの部屋で、寂しく一生を終える。
そう思っていた。


お兄ちゃんを起こさないよう、扉を開けて玄関まで行く。
この扉が開いてくれれば、少し変わるのかな。

かちゃ、とドアノブに手をかける。
ゆっくり捻っても、開かないはず。

ガチャン

キィ、と音をたてて扉がゆっくり開く。

『…ぇ』
小さく声を出す。

外に裸足のまま出る。
私は真っ直ぐ上を見続ける。

歩きながら、真っ直ぐに。

空が、綺麗。
届きそうなほど、近く感じる。

空の青さを見て、ポツリと呟く。

『母さん…』

母さん、見てますか。
何で死んじゃったの。
ねぇ何で、置いていったの。

何で?

『かあ、さ…、私…死にたいよ…ッ
一緒にいたいよ…帰って、来てよぉ…ッ!!!!』

私はその場に蹲る。
ボロボロと涙が落ちる。

母さんが死んでしまってから、はや二年。
私が16の時、亡くなった。


一年の時までは、父さんは普通だった。
今では異常だけど。

母さんに会いたい。
死にたい。
死ねば母さんに会える…?


グルグルとそんな思考が頭の中を掻き乱す。

そんな時に



「…どうしたの」

貴方に会った。

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作品ジャンル:恋愛
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ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時

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