検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:11,917 hit

25 ページ27

重い瞼を無理矢理持ち上げる。

目の前にはあの人の顔。


私の、大嫌いな。



{A、おいで}

私の嫌いな声。
あの人の手が伸びて、私の首を掴む。

『…嫌…ッ』

苦しい
助けて


{お前のせいでアイツも…ッ俺も!!!!
お前のせいなんだよ…ッ!!!!}

助けて
ごめんなさい

聞きたくない
見たくない



[…ッ、もうやめてよ!!父さん!!!!]

{煩いッ!!!!お前だってそうだ!!!!この役たたずが!!!!}

お兄ちゃんが蹴られる

私は強く首を締められる


私の、私たちの父さんは、いつから壊れてしまったのか。

父さんが、お兄ちゃんに包丁の刃先を当てる。
やめて


父さんは、私から母さんも…、お兄ちゃんも奪うの?




息が、出来ない。

怖い









[Aッ!!]


『…ッ!?、おに、ちゃ…?』

目を開けると、お兄ちゃんが心配そうに顔を覗き込んでいた。

[良かった…、魘されてたから。大丈夫か?]

『……お兄ちゃん…ッ、とう、さん、が…ッ』

[…A、大丈夫。父さんは此処にはいないよ。大丈夫…]

お兄ちゃんが私を抱きしめて、そう言う。
優しく、落ち着く声。

『…、う、ん……、夢で、見ちゃって…
…あれ、キヨは…?』

[…そっか。大丈夫だよ、キヨも此処にはいない]

『……そっか』

静かな空間の中、いきなりお兄ちゃんが、あっ、と呟く。

[きっくんが心配してたよ。俺は実況撮りに家帰るけど…。落ち着いたら電話してあげて?]

『…?きっくん、さっきの、キヨとの事知ってるの?』

[いや、詳しくは知らないけど、嫌な予感がしたらしくてね。それで俺が急いでAの家来たの。何かあったんじゃないかって心配してたんだよ]

きっくん…すぎょい…


『うん、分かった。ありがと、お兄ちゃん』

[いーえ。じゃあ…俺は行くね]


そう言って、お兄ちゃんは出ていった。


しん、と静まり返る部屋の中。
何だか悲しくなってきて。
怖くて、寂しくて。


『電話、しよ』
私は携帯を手に取った。

26→←24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:MSSP , 実況者 , きっくん   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。