18 ページ20
ガラガラと音を立てて扉を開ける。
[お、来たA]
「あー!!!!Aー!!!!フジが兄貴とか聞いてねぇぞー!!!!」
『え、あ、ごめん??』
きっくんが車椅子に座っていて、お兄ちゃんがそれを押そうとしている状況。
あれ、此処でリハビリするの?
お兄ちゃんの部屋だよねここ。
[A〜、きっくんをとりあえずホールまで連れてって〜
俺じゃ嫌だってさっきから煩いの〜]
あ、ここでは流石にやらないですよね。
『んー、分かった。きっくん、私なら良い?』
きっくんはこくこくと頷いて満足そう。
子供みたいで可愛い。
[俺は先に行って準備してるから。ゆっくりでお願いね、きっくんの足デリケートだから]
『はーい!!』
ゆっくり押しながら、きっくんと少し会話をする。
「ねぇA」
『んー?』
「あのさ、…………やっぱ何でもねぇや」
『そう?なんか困ってる事あったら言ってね?』
「ん、ありがと」
えへへ、と笑うきっくん。
その表情は、私には見えないけど、幸せそうな笑顔だと思う。
もう少しでホールに着く、という所で、またきっくんが口を開く。
「Aはさ、今の…動けないし、お前に何も出来ない俺の事…今でも好き…?」
少し、暗い声。
震えていて、自信なさげで。
優しくきっくんを撫でる。
『うん、大好き。どんなきっくんも、私は大好きだよ。きっくんを嫌いになる事なんて有り得ないもん!!!!』
そう言うと、きっくんはくるっ振り返る。
そして、微笑みながら。
「ありがと、俺はAの事愛してるし」
それだけ言って、きっくんはまた前を見た。
とくん、と胸がなる。
(あぁ、この人が好きだ)
そう感じながら、私はホールに足を踏み入れた。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時