二人目 ページ10
各々がそれぞれ準備をする。
アイアンマンはヘルメットを被り、キャプテンも同じくそうした。
対する私は縮小している槍を手に取る。
アイアンマンはジェット後ろのハッチを開けた。
強い風が吹き荒れる。
すると居る事がないはずなのに、そこに一人の男が降りて来た。
鎧を纏い、手にはハンマーを携えた男。
アイアンマンが仕掛ける前に、その男はアイアンマンをハンマーで殴る。
軽々と殴られたアイアンマンはキャプテンの方へ飛び、共倒れした。
そしてその男はロキに目を向けると、無理やり引っ張ってジェットから飛び出して行った。
『おいおい…また変なのが増えたんじゃないか？』
｢呑気に言ってるが、確かにまた一人増えたな｣
アイアンマンが起き上がり、ハッチへと足を向ける。
｢あれは味方か？｣
キャプテンも起き上がって、体勢を立て直した。
｢関係ない、奴がロキを逃がすか殺 せばキューブの在り処は失われる｣
アイアンマンはそう言い切り、ハッチの淵に立った。
｢それなら、計画を練らないと！｣
｢計画ならある。戦う｣
それを言い残すと、アイアンマンは飛んで行った。
キャプテンは小さく息を吐いて、予備してあったパラシュートを手に取る。
｢やめた方がいいんじゃない？｣
ナターシャがその様子を見て制止をかける。
｢そういう訳にはいかない｣
『でもあいつら、神話の世界から来た神様なんだぞ？』
｢神はただ一人だ。あんな衣装を着た神は居ない｣
素早くパラシュートの装着を終え、その手に盾を取り、キャプテンはジェットから飛び降りた。
『神って衣装で区別するものなのか、そこは』
私の残したこの疑問には、流石にナターシャも答えてはくれなかった。
｢貴女はどうするの、A｣
行くのか、話を逸らす様にナターシャが聞いてくる。
私は首を横に振って、槍を戻した。
『いや、今回はお断りだ。高度の高い所から飛び降りるなんて死んでも御免だね』
｢あら、貴女らしい答えね｣
そもそもこんな所から飛び出す女とか居るんだろうか。
恐らく居ない。
風が吹き荒れ、周りを覆う雲を見つつ、私はハッチを閉めた。
あの二人が無事である事を祈っておこう。
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ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
