疑い ページ9
拘束したロキをジェットに乗せ、S.H.I.E.L.D.へ戻る。
フューリーからは無線で急いで連れ帰れとの連絡があった。
私はナターシャの傍らに立ちその話を聞くついで、後ろの二人…キャプテンとアイアンマンの会話に耳を立てている。
｢…腑に落ちない｣
｢コスプレ野郎が簡単に降参したから？｣
｢あまりにも呆気なかった、何かあるんじゃないか ｣
まあ、キャプテンの意見には少しばかり同感だ。
拘束から連行までは確かに呆気ないように思える。
裏があっても可笑しくないし、ここはしっかり警戒しておいた方がいいか…。
などとそう考えているとき、コンコンと固い何かで肩をつつかれる。
｢なあ、槍使いちゃん。その腕まさかとは思うが…僕が作ったものだよな？何で君が付けてる｣
案の定、アイアンマンが私の肩をつついていた。
『何でって…そりゃあ、フューリーから戦闘にはいるだろうからって話で私用に誰かが作ったとか…』
｢さっき僕がって言ったぞ｣
『…ああ、じゃあ貴方があのトニー・スターク？』
｢おいロマノフ、こいつ大丈夫か？｣
あまりにも私の物忘れが不快に思ったのか、アイアンマンは操縦席のナターシャに声をかけた。
｢ごめんなさい、彼女元々日本の子だからこっちのヒーローの事には無頓着だったのよ｣
だから今記録してる途中、ナターシャはそう言った。
｢無頓着にも程ってもんがあるだろ…｣
隣でアイアンマンがボソボソと言った言葉は聞き流しておこう。面倒だ。
『もう覚えたよ、流石に何度も資料を見返したんだし…本物とも正応が着いたし』
澄まし顔で言った気がする。
私の顔を見ていたアイアンマンはいささか呆れ顔だ。
『…ていう訳で、不本意だろうけどよろしく。アイアン』
マン、と言おうとした時、機体が揺れた。
途端に外では雷鳴が響き、稲妻が走る。
｢何なの、急に？｣
ナターシャは不思議と窓の外を見る、私も釣られる様に外を見た。
が、見た所変化はない。
積乱雲の中に入った訳でもない。
後ろの二人はと言うと、雷に反応したロキを見ていた。
｢どうしたんだ、雷が怖いのか？｣
キャプテンがそう聞くと、ロキはこう返した。
｢この後に来る奴が嫌いでね｣
来る奴、それをまだ知っていない私達は、互いに視線を送った。
すると、いきなり大きく機体が揺れる。
何かが上に乗った、そんな揺れ方だった。
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ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
