一撃、登場 ページ8
槍を完全に出し、ロキに向かって走り出す。
キャプテンが盾を弾き飛ばされた中、辛うじて格闘術で攻めている。
私は飛び上がって槍を振り上げた。
『キャプテン、伏せろ！！』
飛び上がった私を捉えたのか、キャプテンは実に素早くロキから身を引いた。
チャンス。
ロキがこちらを振り返る、その前に。
『ふっ！』
義手の力を最大限に用い、力一杯槍を振るう。
見事その一撃は横腹に叩き込めた。
しかし神というだけあってか、そう簡単には吹き飛ばせずにロキは転がった。
一撃を食らわせた私はそのまま着地。
キャプテンが盾を拾って私の元へ来る。
｢今の技は自分で編み出したものか｣
『いや、槍を使うなら自然と出る技だよ。思いの外深く入った』
横腹を抑えつつ起き上がるロキを見て、どれもう一発ぶち込んでやろうかと槍を構え直したその時。
背後のジェットから大音量で音楽が流れ始めた。
振り返ると、ジェットの更に奥から何かが高速で飛んで来る。
キャプテンに向かって言葉を発する前に、ミサイルの様な物が放たれ、ロキに命中した。
目の前に降り立った姿を見て、私は確信する。
ヒーローだ。
彼は確か…そう、アイアンマン、だったはず。
アイアンマンは着地と同時に両腕をロキに向かって構える。
肩の部分からは小型のミサイルの様な物が顔を覗かせた。
｢さて、どうするトナカイくん？｣
恐らく降参しろとでも言いたかったのだろうか。
えらく遠回しな言い方だ。
ロキは流石に諦めが着いたのか、あっさり鎧を消し両手を上げた。
それを見て、アイアンマンも武器を収めた。
｢やあ、スターク｣
キャプテンがアイアンマンの元へ行き、声をかける。
｢やあ、キャプテン｣
…ああ、この大物のヒーロー達が居るってのに、ここに居る私は場違いではないだろうか。
とりあえず一段落着いたので、槍を元の状態に戻す。
すると不意にアイアンマンがこちらを向いた。
｢さっきの技は見事なもんだったな、
『…お嬢さんっていう歳じゃないと思うんだけどな、お褒め感謝するよ。アイアンマン』
｢なんだ、彼女随分冷めてるな。キャプテン｣
『本人の前で言う奴があるか』
ロキは拘束出来たのはいい事だったが…。
出会い頭、こんな会話から始まったのは生まれて初めてだった。
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ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
